土砂災害防止法とは?その概要と解説について


2018.06.10

災害にはいくつかの種類がありますが、その中の一つに土砂災害があります。土砂災害もその中でさらにいくつかの種類に分けることができ、斜面崩壊(がけ崩れ・土砂崩れ)、地すべり、土石流などがあります。
土砂災害はどれも人や建物に危険を及ぼす可能性のあるものであり、土砂災害からの被害を抑制するためには、事前に防災体制をとっておく必要があります。
そのような土砂災害に対する防災対策をとっていく上では、「土砂災害防止法」という法律が基盤となっており、この法律をもとに日本では土砂災害への対策が行われています。
今回はそんな土砂災害防止法について、そもそも土砂災害防止法とは何か、土砂災害防止法で規定されている土砂災害警戒区域・土砂災害特別警戒区域について、などについて書いていこうと思います。

土砂災害防止法とは何か

そもそも土砂災害防止法とは何かをひとことで言うと、土砂災害から住民を守るため、土砂災害のおそれのある区域について危険の周知、警戒避難態勢の整備、住宅等の新規立地の抑制、既存住宅の移転促進等のソフト対策を推進するための法律です。
正式名称は「土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律」ですが、一般的には省略して「土砂災害防止法」と呼ばれることが多いです。
具体的には、まず国土交通省は土砂災害防止法に基づいて土砂災害防止対策基本指針の作成を行います。この基本方針の中では、基礎調査の実施指針、土砂災害警戒区域等の指定指針、など土砂災害対策に関する基本的な方針が書かれています。

この土砂災害防止対策基本指針に基づいて、都道府県は基礎調査の実施を行い、区域指定及び土砂災害防止対策に必要な調査を実施します。
この基礎調査では、渓流や斜面など土砂災害により被害を受けるおそれのある区域の地形、地質、土地利用状況について調査します。そしてこの調査に基づいて、土砂災害警戒区域・土砂災害特別警戒区域が作成されます。
土砂災害警戒区域・土砂災害特別警戒区域とは土砂災害に対する具体的な施策を行っていく上で重要なエリア指定であり、日本の土砂災害対策のベースになっているものです。

参照記事
土壌雨量指数とは?土砂災害警戒判定メッシュ情報の判定基準となる指数

土砂災害防止法で規定されている土砂災害警戒区域・土砂災害特別警戒区域について

そもそも土砂災害警戒区域と土砂災害特別警戒区域とは何かをひとことで言うと、土砂災害が発生する可能性のあるエリアを指定したものです。
土砂災害対策はそもそも土砂災害が発生する可能性が無いエリアでは不要なので、この土砂災害警戒区域と土砂災害特別警戒区域で具体的な防災対策が行われて行きます。
土砂災害警戒区域と土砂災害特別警戒区域の違いは、どちらも土砂災害が発生するかもしれない危険なエリアなのですが、土砂災害特別警戒区域は土砂災害で著しい危害が発生する可能性が高いエリアであり、防災のための規制も存在しています。
土砂災害警戒区域と土砂災害特別警戒区域は、どちらも市町村地域防災計画の中で情報伝達、警戒避難体制等の整備をしておく必要があります。

土砂災害ハザードマップの中でも指定され、警戒避難体制の整備を行う必要があります。
土砂災害特別警戒区域はその中でもさらに、特定開発行為に対する許可制が取られており、住宅宅地分譲や災害時要援護者関連施設の建築のための行為は、基準に従ったものに限って許可されています。
土砂災害特別警戒区域に建てられる建築物についても、建築物の構造規制で強度の制限があると同時に、著しい損壊が生じるおそれのある建築物の所有者等に対し、移転等の勧告が図られます。
以上、土砂災害防止法について、そもそも土砂災害防止法とは何か、土砂災害防止法で規定されている土砂災害警戒区域・土砂災害特別警戒区域について、などについて見てきました。
土砂災害防止法は日本の土砂災害に対する防災体制を整備していく上での基盤となっているものです。土砂災害による被害は定期的に発生しているので、より一層の防災対策が必要になっています。

参照記事
土砂災害とは?斜面崩壊(崖崩れ)、地すべり、土石流などの災害

参考サイト▪︎国土交通省「土砂災害防止法」