都道府県別地震被害想定概要集で被害予測を閲覧できる

災害に備えるためには、事前にそのエリアではどのような災害が発生する可能性があるのかを予測することが重要です。そうは言うものの、専門家ではない人があるエリアでどのような災害が発生する可能性があるのかを予測するのはなかなか難しいです。
その中で内閣府が2010年に公表した「都道府県別地震被害想定概要集」が都道府県別にどのような地震災害が発生する可能性があるのかを把握する上で参考になるのでご紹介して行こうと思います。

都道府県別地震被害想定概要集とは何か

そもそも都道府県別地震被害想定概要集とは何かをひとことで言うと、都道府県別に想定される地震災害やその被害状況が記載されている資料になります。内閣府のHPから無料でダウンロードすることができます。
都道府県別地震被害想定概要集が作成された背景には、首都直下地震に備えて東京都の被害状況を把握する必要があると同時に、日本全国にある政府の機関が業務継続計画(BCP)を策定するにあたって、各都道府県でどのような地震が発生する可能性があり、その地震でどれくらいの被害を受ける可能性があるのかを把握する必要があったことがあげられます。

参照記事
大規模盛土造成地とは?地震による地滑りを防ぐために

そのためにもともとは中央省庁をはじめとする政府機関向けのものだったのですが、民間企業が事業継続計画を作成するときにも、地震によってどのような被害が想定されるのかを考えるにあたって活用することができます。
具体的な都道府県別地震被害想定概要集の構成としては、「5つの巨大地震による被害想定調査結果」と「都道府県別の地震被害想定調査結果」の2つに分けることができます。
5つの巨大地震による被害想定調査結果では、東海地震、東南海・南海地震、首都直下地震、日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震、中部圏・近畿圏直下地震の5つの地震において、それぞれの被害想定が出されています。
都道府県別の地震被害想定調査結果では、全国47都道府県のそれぞれの主要地域における地震被害の予測がされています。
予測される地震分布、津波高さ予想図、人的被害、建物被害、などが予測分析されて記載されています。

(予測される地震分布、津波高さ予想図:内閣府HPより引用)

(人的被害:内閣府HPより引用)

(建物被害:内閣府HPより引用)
ただしこの資料は東日本大震災の以前に作成・公表されたものなので、東日本大震災を踏まえて中央防災会議などがこの資料の見直しに着手しているとも言われています。
以上、都道府県別地震被害想定概要集について、そもそも都道府県別地震被害想定概要集とは何で、どんなことが書かれているのかなどについて見てきました。都道府県別地震被害想定概要集は地震によってどのような被害が発生するのかを参考にする際に活用することができます。

参照記事
活断層型地震とは?そのメカニズムと事例について

参考サイト▪︎内閣府「行政機関向けのガイドライン(国内)」