地盤沈下対策のためにどのような取り組みがされているのか

2018.06.12

日本における日々の水の利用量は膨大なものであり、生活用水、工業用水、農業用水、など様々な用途に使用されています。その水利用において地下水が活用されることもあります。
日本の地下水使用量は年間で100億㎥を超えており、人々の生活を支えていますが、一方で地下水の地用は地盤沈下などの問題を引き起こすことがあります。
今回はそんな地盤沈下対策について、そもそも地盤沈下とは何か、地盤沈下による被害、地盤沈下対策、などについて書いていこうと思います。

地盤沈下とは何か

そもそも地盤沈下とは何かをひとことで言うと、そのままですが地盤が沈む現象のことです。地盤が低下する理由としてはいくつものことが考えられますが、一般的に地盤は一度沈下すると元の高さまでは戻りません。
地盤沈下の原因としては、工業用水や農業用水などの地下水の過剰揚水、天然ガスの汲み上げ、鉱山の坑道掘削といった人工的なものや、地震などの自然由来のものもあります。

東日本大震災の際には、岩手県、宮城県、福島県の太平洋沿岸の多くの地点で地盤沈下が発生し、チリ地震では海岸よりやや内陸部で広範囲に2.7mが沈降しました。
地盤沈下が発生すると、その上にある建物などに関する被害が発生したり、ほかの災害に対する脆弱性が高まったりなどの問題が発生するために、地盤沈下への対策が重要になってきます。

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地盤沈下による被害

過去には日本全国で地盤沈下が発生してきていました。地盤沈下の問題が顕在化するにつれて地盤沈下対策がなされるという状況になっています。

(代表地域の地盤沈下の経年変化:国土交通省HPより引用)
地盤沈下による被害として代表的なものとして、地盤沈下したエリアにある構築物が倒壊したり傾いたりすることがあります。
地盤沈下が発生すると地面に傾きが生じるために、その上の構築物は傾いてしまい、場合によっては倒壊することもあり得ます。イタリアにあるピサの斜塔は地盤沈下によって傾いた構築物として世界的に知られています。
この他にも地盤沈下による被害として水道やガスなどのライフライン施設の破損もあります。杭基礎を用いた構築物は地盤沈下の影響を受けずに支えられることが多いですが、建物周辺に埋設してあるガス管や水道管などは、地盤沈下が発生してガス管や水道管と建物の接合部で破断することがあります。

参照記事
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地盤沈下対策

このように地盤沈下は時に大きな被害をもたらすのですが、地盤沈下対策として、日本では、揚水量そのものの規制、代替水の確保・供給、節水の促進などが行われています。
地下水の過剰採取による地盤沈下を防止するためには、地下水採取・地下水揚水規制に関する法律として、工業用地下水を対象とする「工業用水法」、建築物用地下水を対象とする「建築物用地下水の採取の規制に関する法律」があり、それぞれ地下水障害の発生地域を指定して地下水の採取規制をしています。

特に広範囲に著しい地盤沈下が見られた、関東平野北部、濃尾平野、筑後・佐賀平野の3地域については地盤沈下防止等対策要綱によって総合的な対策がとられており、地下水採取・地下水揚水で規制がされています。
以上、地盤沈下対策について、そもそも地盤沈下とは何か、地盤沈下による被害、地盤沈下対策、などについて見てきました。地盤沈下は時に大きな被害をもたらすために、地盤沈下対策の取り組みが政府主導で行われています。

参照記事
地盤サポートマップという地盤の強さを調べられる良いサービス

参考サイト▪︎環境庁「全国の地盤沈下地域の概況」