国土強靭化と国土強靭化基本計画とは何か?強くてしなやかな日本

日本は災害大国であり今までにいくつもの災害を経験してきましたが、その度に何か教訓を学んで、その後の災害対策に活かしてきました。
1959年の伊勢湾台風は現在の日本の災害体制の基本となっている災害対策基本法の制定につながり、阪神・淡路大震災は耐震化の普及、東日本大震災はソフト防災の普及などに寄与してきました。
このように日本では過去の教訓から災害体制を構築してきましたが、災害による被害をできるだけ小さく抑えて、迅速に復旧・復興を果たすことができる社会を構築するために「国土強靭化」が進められてきました。
今回はそんな国土強靭化について、そもそも国土強靭化とは何か、国土強靭化の具体的な内容、国土強靭化基本計画とは何か、などについて書いていこうと思います。

国土強靭化とは何か

そもそも国土強靭化とは何かをひとことで言うと、たとえどんな災害が発生しても、被害を最小限に抑え、迅速に復旧・復興できる、強さとしなやかさを備えた国土・地域・経済社会を構築することです。
少しイメージがつきにくいかと思いますが、例えば人によって風邪にかかりやすい人とかかりにくい人がいるかと思います。強靭な肉体を持っていれば風にはかかりにくいですし、仮にかかったとしてもすぐに治すことができます。
これと同じように、国土強靭化とは日本が災害や事故などによって致命的な損害を負わないようにすると同時に、仮に受けても速やかに回復するような社会を作るために防災対策を行うことです。
国土強靭化ではその基本目標として下記の4つを掲げています。

国土強靭化の基本目標

①人命の保護が最大限図られること
②国家及び社会の重要な機能が致命的な障害を受けずに維持されること
③国民財産及び公共施設に係る被害の最小化
④迅速な復旧復興

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国土強靭化の具体的な内容

次に国土強靭化の具体的な内容ですが、日本を強靭化させるにあたって、まずは国土強靭化で目指す目標を明確にした上でリスクを特定・分析し、次にリスクシナリオと影響を分析・評価した上で脆弱性を特定します。
その脆弱性を分析・評価して、脆弱性を克服するための課題とリスクに対する対応策を検討し、課題解決のための優先順位をつけて具体的な対応策を選定しています。
その具体的な重点課題としては、下記の15のプログラムが挙げられています。

(国土強靭化:内閣官房HPより引用)
この課題を解決していくために、ソフト対策とハード対策を組み合わせて、それぞれを適切に組み合わせることで災害に強い国づくりを進めています。

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国土強靭化基本計画とは何か

これまで見てきたように国土強靭化は日本が災害に強くなるために必要不可欠な施策なのですが、この国土強靭化を果たすための具体的な計画として国土強靭化基本計画があります。
国はすでに災害に対する計画として防災基本計画がありますが、国土強靭化基本計画はこれに並列するようなイメージで、日本の災害対応の骨格をなすものになっています。
国土強靭化基本計画の中では国土強靭化に係る国の他の防災計画などの指針となるべきものとしてその計画が策定されています。
そしてこの国土強靭化基本計画と調和する形で都道府県・市町村は国土強靭化地域計画を策定し、都道府県・市町村の他の防災計画の指針となるべきものとして活用されます。
以上、国土強靭化について、そもそも国土強靭化とは何か、国土強靭化の具体的な内容、国土強靭化基本計画とは何か、などについて見てきました。
国土強靭化は日本が災害に強い国になるために必要不可欠な考え方であり、更なる普及が期待されています。

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参考サイト▪︎内閣官房「国土強靱化」