水害保険(水災保険)とは?風水害からのリスクに備える

災害は時に建物や家財に被害が加わり、被災者は経済的に大きな損失を受けることがあります。場合によってはそれによって数千万円の損失を受けることもあり、人生設計をしていく上では極めて大きな障害になります。
そんな災害が発生した際の経済的なリスクを解決するための方法として保険があります。保険は災害に限った話ではなく、病気や怪我に伴う医療費に対する保険や、誰かに損害を与えてしまった際に備えての保険など色々なものがあります。
今回はそんな保険の中でも水害保険(水災保険)について、そもそも水害にはどのようなものがありどれくらいの費用がかかるのか、水害保険(水災保険)とは何か、水害保険(水災保険)は必要なのか、などについて書いて行こうと思います。

水害(水災)にはどのような災害があるのか

水害保険についてご説明する前に、まずは水害にはどのようなものがありどれくらいの費用がかかるのかについて見て行こうと思います。
そもそも水害とはその名前の通り、水による災害に関することです。水害の中にもいくつかあるのですが具体的には、大雨によって河川の堤防が決壊して洪水になったり、高潮で浸水になったり、豪雨によって排水がうまくできないで内水氾濫が起きたりする災害が水害になります。

ただし、水害保険について話をする際には、その定義が曖昧なことが多く、風害や土砂災害なども含めて水害と言われることも多いです。
テレビなどで、台風によって家屋が壊れてしまったり、洪水で家が流されたりする映像を見たことが誰もが一度はあるかと思いますが、水害保険はそんな時の損失を補償します。

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水害(水災)により必要になる金額

仮に大きな水害に遭遇して家が倒壊してしまった場合には、修繕や建て替えに大きな費用がかかります。被災者には公的な支援金や善意による義援金などの補助が入ることもありますが、それでも損失をカバーすることはできません。
実際に東日本大震災で被災した人たちの住居の新築費用は平均して2,500万円ほどであり、経済的な被害は甚大なものでした。
ここに補助として、被災者生活再建支援法によって300万円、義援金が100万円ほど入ったものの、その差額である2,100万円は被災者自身が準備する必要があります。

水害保険(水災保険)とは何か

このように水害が発生すると住宅が倒壊することなどで大きな損失が発生することがあるのですが、この損失を保険によってカバーするものが水害保険(水災保険)です。
毎月決まった保険料を支払うと、いざ水害によって被害を受けた場合にその損失額を保険会社に支払ってもらうことができます。
一般的に水害保険は火災保険の中で水災補償という形で入っていることが多いです。ただし、火災保険の内容によっては水災補償を外していたりする可能性もあるので、すでに火災保険に入っている場合には、自分の保険内容に水害が入っているのか確認することをお勧めします。
水害保険はどれくらいの金額が支払われるのか、どの条件の水害の場合に適用されるのか、などが保険の内容によって異なるので、自分たちの事情に合った水害保険を選択する必要があります。

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水害保険(水災保険)は必要なのか

果たして水害保険(水災保険)は必要なのかを判断する材料として、国土交通省や各自治体が公開している「ハザードマップ」を見てみるというのも一つの考え方です。ハザードマップとは自分の住んでいるエリアでどんな災害が発生する可能性があるのかを調べる子ことができる地図です。
そもそも地理的に洪水が発生する可能性が極めて低い場所で洪水に対して不安になる必要はほぼありません。
冒頭でも申し上げたように水害にはいろんな種類があるので、全ての災害について検討する必要がありますが、自分の住んでいるエリアで発生する可能性のある災害に対して保険に入るのが基本であると言えます。

ただし、何事にも例外はあるので、仮に水害が発生する可能性が低いと思われていても、いざ災害が発生すると水害によって家が壊れてしまう可能性も当然あります。
以上、保険の中でも水害保険(水災保険)について、そもそも水害にはどのようなものがありどれくらいの費用がかかるのか、水害保険(水災保険)とは何か、水害保険(水災保険)は必要なのか、などについて見てきました。
災害は被災者に経済的に大きな損失を与えることがありますが、保険はどんなリスクを回避するための有効な手段の一つであると言えます。

参照記事
首都圏における大規模水害の被害想定とその対策について

参考サイト▪︎内閣府「水害・地震から我が家を守る 保険・共済加入のすすめ」