防災科学技術研究所(NIED)とは?防災技術を向上させるために

2018.06.30

防災に関する研究機関は世界中にたくさんあり、災害による被害を小さく抑えるために、災害や防災の分野で研究が進められています。日本には防災科学技術研究所と呼ばれる防災に関する研究機関があり、基礎研究から社会実装に至るまで一貫した研究がされています。
今回はそんな防災科学技術研究所について、そもそも防災科学技術研究所(NIED)とは何か、防災科学技術研究所の研究部門について、防災科学技術研究所の研究成果、防災科学技術研究所の研究施設、などについて書いていこうと思います。

防災科学技術研究所(NIED)とは何か

そもそも防災科学技術研究所とは何かをひとことで言うと、防災に関する基礎研究及び基盤的研究開発などの業務を総合的に行うことによって、防災科学技術水準の向上を図っている研究所のことです。
1963年に国立防災科学技術センターとして設立されたのきっかけであり、茨城県つくば市に本所をかまえています。
防災科学技術の水準を向上させることによって災害に強い社会の実現を目的としており、地震、火山、気象、社会防災など、災害や防災について幅広く研究を行っています。

防災科学技術研究所の研究部門について

防災科学技術研究所の研究部門については、大きく基礎研究部門と基礎的研究開発センターの2つに分かれます。
まず基礎研究部門の中でもさらに災害の分野などによって枝分かれしており、地震防災津波防災研究部門では地震津波に関する新たな即時予測技術などを行っています。
火山防災研究部門では火山災害の定量的評価の研究などが行われています。地震減災実験研究部門では地震被害の再現や耐震性や対策技術の検証などが行われています。
水・土砂防災研究部門では気象災害、洪水災害、土砂災害などの解明を進めています。雪氷防災研究部門ではニーズにマッチする雪氷防災情報を創造して社会実装することなどが進められています。
社会防災システム研究部門では各種災害の発生可能性と社会の脆弱性を総合評価することや、情報共有・利活用に基づく総合的防災力向上などが行われています。
社会家庭研究部門では予防防災や災害からしなやかに立ち直る社会モデル追求などがされています。
次に基礎的研究開発センターもその中で災害の分野などによって枝分かれしています。

地震津波火山ネットワークセンターでは日本列島の揺れを捉えて被害の即時推定を行い、総合防災情報センターでは防災科学技術に関する総合的な情報の集約を行っています。
先端的研究施設利活用センターでは産学官連携による防災科学技術イノベーションの推進が行われており、レジリエント防災・減災研究推進センターではSIP
「レジリエントな防災・減災機能の強化」の推進がされています。
気象災害軽減イノベーションセンターでは気象災害予測情報のシステム化などが行われており、火山研究推進センターでは火山の観測から活動推移や災害発生を予測しています。
首都圏レジリエンス研究センターでは首都直下地震などの災害に備えたオールジャパンの研究推進体制を構築しています。このように防災科学技術研究所には、防災に関して幅広く研究がされているのです。

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防災科学技術研究所の研究成果

防災科学技術研究所の研究成果は数多くありますがその中でも代表的なものをいくつかご紹介していこうと思います。

陸海統合地震津波火山観測網

MOWLAS(陸海統合地震津波火山観測網)によって地震、津波、火山などを観測するための設備が日本中に配置されており、データは広く一般公開されていると同時に、関係期間に直接伝送されて防災に活用されています。

緊急地震速報への貢献

緊急地震速報は即時に震源を推定する着未着法を気象庁の技術と統合して構築されており、緊急地震速報に利用されているデータの80%は防災科学技術研究所が提供しています。

地震被害軽減への貢献

後述するE—ディフェンスと呼ばれてるシステムでは長周期地震動を受ける超高層建物などの室内被害の実験などが行われており、施設の耐震化などに活用されています。

XバンドMPレーダの開発

高分解能の「XバンドMPレーダ」などを国土交通省XRAINに技術移転して、ゲリラ豪雨の監視を可能にしています。

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防災科学技術研究所の研究施設

防災科学技術研究所には防災の研究を行うために、多種多様な研究施設を有しています。

E-ディフェンス

E-ディフェンスは実際の地震と同じ複雑な三次元の揺れを再現できる実験施設であり、地震による構造の破壊過程と新しい耐震技術を検証することができます。

地震津波火山ネットワークセンター

地震津波火山ネットワークセンターでは、陸地および海域の基盤的地震津波観測網と、地基盤的火山観測網を安定的に運用して、観測データも含めたデータのアーカイブおよび公開をしています。

雪氷防災実験棟

雪氷防災実験棟では天然の雪に近い結晶形の雪を降らせる装置を備えており、人工的に制御された環境を作り出すことができます。
この他にも防災科学技術研究所には数多くの研究施設を有しており、防災に関する研究がされています。
以上、防災科学技術研究所について、そもそも防災科学技術研究所(NIED)とは何か、防災科学技術研究所の研究部門について、防災科学技術研究所の研究成果、防災科学技術研究所の研究施設、などについて見てきました。
防災科学技術研究所は日本の防災力を向上させるために大きく貢献しており、今後もその活躍が期待されています。

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参考サイト▪︎防災科学技術研究所