ペット防災対策!飼っている犬や猫を災害から守るために

2018.07.05

防災対策を考える際には、人の被害をどうやって抑えるのか、建物の被害をどうやって抑えるのか、などについては議論されることが多いですが、被災者のペットをどうするのかについては見落とされることが多いです。しかし、東日本大震災の際にもそうだったのですが、発災時に住民は緊急的に避難をせざるおえなかったために、自宅に取り残されて飼い主とはぐれたペットが放浪状態になるという事例が多数報告されています。
また、仮に飼い主とペットが一緒に避難所へと避難することができたとしても、動物に対してアレルギーがある他の被災者や動物の鳴き声が気になる被災者などと共同生活をすることが困難であり、避難所での生活に苦労をしたという事例も同様に多数報告されています。
今回はそんなペットの防災対策について、自治体や飼い主などそれぞれのペット防災の役割、発災前におけるペット防災対策、災害発生時の動物救護対策などについて、環境省が発行している「災害時におけるペットの救護対策ガイドライン」を参考にしながら書いていこうと思います。

災害時におけるペット飼い主の役割

災害時におけるペット飼い主の役割としてはまず同行避難をすることがあります。災害時に動ペットを放置して離れ離れになると、ペットがその間に負傷したり、他の住民に襲いかかったりする危険性があります。そのために、原則としては災害によって避難をする場合にはペットとの同行避難をする必要があります。
また、避難時に同行避難をするためにも、普段の生活から他の避難者に迷惑をかけないように飼育管理をしておくことも重要になります。

災害時における自治体のペットを保護するための役割

自治体は災害時に動物の保護や救護活動が必要になる場合に備えて、地方獣医師会や民間企業などと災害時の協定や現地動物救護本部の設置に向けた連携、などについて検討しておくことが望ましいとされています。
災害が発生した際には、同行避難の推進、避難所における必要な飼育支援、放浪ペットや負傷ペットの救護活動、など様々な役割を担う必要があります。

災害時における地方獣医師会のペットを保護するための役割

地方獣医師会は災害時に、自治体や関連団体と連携してペットを守るために協力や支援を行う必要があります。
現地動物救護本部の構成員である場合には、ペットの救護活動を行う必要があり、避難所におけるペットの治療、健康管理における飼い主からの相談受付、被災地における獣医療の支援を担っています。

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災害時における現地動物救護本部のペットを保護するための役割

災害が発生した場合には、自治体や地方獣医師会は現地動物救護本部を開設するのかどうかの判断を行い、仮にその必要性が確認されて開設する場合には、ペットを救護するための中心的な機関として動く必要があります。
また、大規模災害が発生した際には、日本動物愛護協会・日本動物福祉協会・日本愛玩動物協会・日本獣医師会の4団体によって緊急災害時動物救護本部を設置して、ヒト、モノ、カネの面から支援を行なっていきます。

発災前におけるペット防災対策

発災前におけるペット防災対策として自治体ができることは多くあります。まずはペットの飼い主に対して災害に備えた啓発活動を行うことです。
ペットの飼い主に対して、災害時にはペットをしっかりと管理しなければならないという認識を持たせる必要があります。そのために普段の生活の中からペットへのしつけと健康管理をしっかりとしておくように指導します。
また、ペットが迷子にならないようにするために、マイクロチップを首につけるなどしたり、ペット用の避難用具や備蓄品を事前に準備しておくように指導したりすることが重要です。

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ローリングストック法とは?新しい非常食の考え方

避難所や仮設住宅におけるペットの受け入れ対応

災害発生後に自治体は、飼い主がペットと同行避難をすることを前提として、避難所におけるペット受け入れや、仮設住宅におけるペットとの同伴について、体制を整備する必要があります。
そのために事前に検討しておくべき項目としては、地域防災計画へのペット受け入れの記載、避難所と仮設住宅の設置者や管理者との調整、ペット用支援物資の備蓄、などがあげられます。

動物救護体制の整備

災害が発生すると避難所にはペットと同行避難してくる避難者の数は少なくないと考えられ、場合によっては避難所で混乱が生じる可能性があります。
そのために、あらかじめ自治体内の関係者および関係機関、ボランティア団体と調整して受け入れ時の対応を検討しておくことが重要です。災害時協定や災害動物救護本部の設置を含めた役割分担などを事前に検討しておくなどが考えられます。

また、動物救護施設が必要になることもあるので、あらかじめ関連機関と調整して設置場所を選定しておくことも望ましいです。
以上、ペットの防災対策について、自治体や飼い主などそれぞれのペット防災の役割、発災前におけるペット防災対策、災害発生時の動物救護対策などについて見てきました。
災害時のペット対応は、見落とされがちな点でもありますが、事前にしっかりと災害対策をしておくことが重要になります。

参照記事
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参考サイト▪︎環境庁「災害時におけるペットの救護対策ガイドライン」