UNISDR(国連国際防災戦略)とは?国連の防災に関する組織

国際連合は、国際平和と安全の維持、経済・社会・文化などに関する国際協力を実現するために第二次世界大戦後に作られたということは、中学校の社会の時間で誰もが学んだかと思います。
そんな国際連合の中には、さらにその目的を達成するためにいくつもの機関に分かれているのですが、その中には災害に関することを取り扱っている部門もあります。
それがUNISDR(国連国際防災戦略)であり、仙台防災枠組2015-2030の推進などで、世界における防災体制の構築に大きな役割を果たしています。
今回はそんなUNISDRについて、そもそもUNISDR(国連国際防災戦略)とは何か、UNISDR(国連国際防災戦略)の仙台防災枠組2015-2030とは何か、などについて書いていこうと思います。

UNISDR(国連国際防災戦略)とは何か

そもそもUNISDR(国連国際防災戦略)とは何かをひとことで言うと、国際連合事務局防災に関する組織であり、「仙台防災枠組2015-2030」を国際的な防災枠組の基本文書として推進するための機関です。
UNISDRは日本語では国連国際防災戦略であり、国連ISDRなどと呼ばれることもあります。
もともと国連総会は1990年代を「自然災害軽減のための国際的な10年」と定めて国際社会全体の防災力向上に取り組んでいたのですが、UNISDRはこれを継承する形で1999年に設立しました。

2005年から2015年までは「兵庫行動枠組2005-2015」の推進に取り組み、2015年以降は「仙台防災枠組2015-2030」の推進に取り組んでいます。
このようにUNISDRでは、自然災害による被害・損失の減少、災害リスクの軽減を目指し、災害に強い国やコミュニティの構築を目的として活動を行っています。
日本は災害大国と言われており、世界でも災害が多い国ではありますが、自然災害は日本のみならず世界中で発生している国際的な問題であり、国連のような組織が中心となって、国際的な視野で防災への取り組みを行うことが重要になってきます。

参照記事
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UNISDR(国連国際防災戦略)の仙台防災枠組2015-2030とは何か

このようにUNISDRは国際的な視点で防災を取り組む上で重要な組織なのですが、現在は第3回国連防災世界会議で採択された仙台防災枠組2015-2030の推進に従事しています。
この仙台防災枠組2015-2030は今後の世界全体での防災に関する基本的な方針や目標が定められており、2015年から2030年までにかけて、防災がどのような方向に進んで行くのかを示しています。
具体的には、下記の7つの目標が仙台防災枠組2015-2030では取り決められています。

仙台防災枠組2015-2030の目標

(1)人口10万人当りの災害による死亡率を減らす。
(2)被災者数を削減する。
(3)経済損失を減らす。
(4)病院や学校など重要インフラの損害を減らす。
(5)2020年までに防災戦略策定国を増やす。
(6)途上国への防災分野における国際協力を拡大する。
(7)災害早期警戒システムおよび災害リスク情報などへのアクセスと利用可能性を拡大する。

これらの目標を達成して行くためにも、UNISDRには大きな期待が寄せられています。
以上、UNISDRについて、そもそもUNISDR(国連国際防災戦略)とは何か、UNISDR(国連国際防災戦略)の仙台防災枠組2015-2030とは何か、などについて見てきました。
UNISDRは国際的な視点で防災を行って行く重要な組織であり、今後のさらなる活躍が期待されています。

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参考サイト▪︎UNISDR