揺れやすさマップとは?地盤が地震の揺れに与える影響

地震が発生すると大きく地面が揺れて、時にそれが大きな被害をもたらすことがあります。この“揺れ”は、震源に近い方が大きく揺れて、震源から遠くになるほど揺れが小さくなるという印象があるかと思います。
確かにその通りなのですが、地震が発生してどれくらい揺れるのかについては、地震が発生した地点からの距離だけではなく、地盤の硬さについても大きな要因になります。
今回はそんな地震の揺れに与える地盤の影響について、揺れやすさマップとは何か、などについて書いていこうと思います。

地震の揺れに与える地盤の影響について

地震が発生すると地面が揺れますが、この揺れについては、地震の規模(マグニチュード)と地震が発生した地点からの距離の2つによって揺れる大きさが決まると思っている人が多いかと思います。
確かにその2つが地震の揺れを考える上では大きな要因なのですが、もう1つ「表層地盤条件」という要素も地震による揺れの大きさを考える上では重要になってきます。

仮に地震の規模と震源からの距離が同じでも、表面地盤の軟らかさによって揺れ方が変わり、軟らかい場所ではより強く揺れることが分かっています。
一般的に平野や川に沿った地域は表層地盤が軟らかいために揺れやすく、山間部では比較的揺れにくいと言われていますが、地域特性などもあるので一概には言えません。
このように地震による地表のゆれの強さは「地震の規模」、「震源からの距離」、「地表地盤」の3つによって決まるのです。この「地表地盤」の硬さについては、内閣府が「表層地盤のゆれやすさ全国マップ(揺れやすさマップ)」で公表しており、参考にすることができます。

参照記事
活断層型地震とは?そのメカニズムと事例について

揺れやすさマップとは何か

揺れやすさマップとは何かをひとことで言うと、地表地盤の硬さを調査して、そこから地震で揺れやすい場所なのかどうかを日本地図上にまとめたものになります。
正式名称は「表層地盤のゆれやすさ全国マップ」ですが、省略して揺れやすさマップなどと呼ばれることが多いです。
実際にどこが揺れやすいのか地図上にまとめられたデータは内閣府のHPから閲覧することもできるのですが、このサイトがそのデータをわかりやすくまとめているので、手っ取り早く見たい場合には、こちらを閲覧するのが良いかと思います。

(表層地盤のゆれやすさ全国マップ 東京都:内閣府HPより引用)
揺れやすさマップは7段階で色分けして、その場所が地震によって揺れやすいのかどうかを表現しており、視覚的にも分かりやすいものになっています。
ただし冒頭でも申し上げました通り、地震による揺れは、「地震の規模」、「震源からの距離」、「地表地盤」の3つで決まるものであり、揺れやすさマップはこのうちの「地表地盤」を反映したものにすぎません。
そのために、揺れやすさマップで揺れにくいとなっていれば安全という訳では決してなく、揺れやすさマップで揺れにくいとなっていても、近くで大きな地震があれば大きく揺れるので注意が必要です。
以上、地震の揺れに与える地盤の影響について、揺れやすさマップとは何か、などについて見てきました。
表層地盤は地震の揺れに影響を与える一つの要因であり、それは揺れやすさマップで確認することができます。

参照記事
全国地震動予測地図とは?地震の発生を予測した地図

参考サイト▪︎内閣府「防災シミュレーター」