モーメントマグニチュードとは?マグニチュードとの違い

地震が発生した際に、その大きさを表す単位にはいろいろなものがあります。地震の規模の大きさを表すマグニチュード、特定の場所での揺れの大きさを表す震度、加速度の観点から地震の大きさを表すガルやカインなどが有名です。
そんな中でマグニチュードに似たものに「モーメントマグニチュード」と呼ばれるものがあります。モーメントマグニチュードはマグニチュードと名前は似ていますが、意味は異なります。
今回はそんなモーメントマグニチュードについて、そもそもモーメントマグニチュードとは何か、マグニチュードとは何か、モーメントマグニチュードとマグニチュードの違い、などについて書いていこうと思います。

モーメントマグニチュードとは何か

そもそもモーメントマグニチュードとは何かをひとことで言うと、地震による岩盤のずれの規模をもとに計算したマグニチュードであり、地震波の周期と振幅の情報を用いて求めるマグニチュードのことです。
地震に関する実験や計測は昔から行われており、1960年代に断層のずれと放射される地震波の関係が物理学的に明らかになり、モーメントマグニチュードが注目されるようになりました。

モーメントマグニチュードはマグニチュードと比較した際には時間がかかってしまうのですが、大きな地震についてはその規模をより正確に表現することができると言われています。
詳しくモーメントマグニチュードとマグニチュードの違いを見ていく前に、マグニチュードとは何かを改めて見て行こうと思います。

マグニチュードとは何か

そもそもマグニチュードとは何かをひとことで言うと、地震そのものの大きさを表すものです。マグニチュードは1大きくなるとエネルギーが32倍になると言われています。
中学校の理科の時間で習ったかもしれませんが、地震の大きさを表すのに震度を使うこともありますが、震度は計測された特定の場所での地震の揺れの大きさを表すのに対して、マグニチュードは地震そのものの大きさを表します。

参照記事
宅地耐震化推進事業とは?地震による被害を軽減するために


モーメントマグニチュードとマグニチュードの違い

最後にモーメントマグニチュードとマグニチュードの違いについて見て行こうと思います。

モーメントマグニチュードとマグニチュードの違い①:地震の大きさの表現の的確さ

モーメントマグニチュードとマグニチュードの違いの一つ目として、地震の大きさの表現の的確さという点があります。
先ほどご説明したようにマグニチュードは地震そのものの大きさを表すのですが、マグニチュードが7から8を超えるような規模の大きい地震の場合には、地震の規模に見合うだけマグニチュードの値が大きくならないという問題があります。
一方でモーメントマグニチュードは、規模の大きい地震であっても、地震の規模に見合うだけ値が大きくなります。ただし、規模の小さい地震では逆に精度よく計算するのは困難であると言われています。

モーメントマグニチュードとマグニチュードの違い②:計測にかかる時間

モーメントマグニチュードとマグニチュードの違いの二つ目として、計測にかかる時間の違いがあります。マグニチュードは地震が発生してからその値が出るまで比較的に早く値が分かります。
一方でモーメントマグニチュードはその値を求めるためには高性能の地震計のデータを使った複雑な計算が必要なために値が出るまでにどうしても時間がかかってしまいます。
以上、モーメントマグニチュードについて、そもそもモーメントマグニチュードとは何か、マグニチュードとは何か、モーメントマグニチュードとマグニチュードの違い、などについて見てきました。
モーメントマグニチュードはマグニチュードでは表現できない値を表現できることから活用されることがあります。

参照記事
地震時等に著しく危険な密集市街地とは?国土交通省が公開

参考サイト▪︎気象庁「震度・マグニチュード・地震情報について」