ドラゴンハイパー・コマンドユニットとは?消防庁の特殊部隊

2018.06.06

災害が発生すると生活のサプライチェーンそのものが大きく被害を受けて機能しなくなることがあります。東日本大震災の際にも、日本全体におけるエネルギー・産業基盤である石油コンビナート等特別防災区域で大規模火災が同時多発しました。
特に仙台エリアでは大規模な危険物火災・危険物流出事故が発生し、周辺の住民に大きな危険が迫っただけではなく、石油などのエネルギー利用におけるサプライチェーンの寸断という日本全体に大きな影響を与えました。
このように災害には重要な拠点であり、かつ特殊な災害対応が必要になることがあり、その対応を行うことができる特殊な部隊が必要になります。消防庁ではそのような災害に対応するためにドラゴンハイパー・コマンドユニット(エネルギー ・産業基盤災害即応部隊)というユニークな名前を持つ部隊が存在します。
今回はそんなドラゴンハイパー・コマンドユニットについて、そもそもドラゴンハイパー・コマンドユニットとは何か、ドラゴンハイパー・コマンドユニットの部隊編成、などについて書いていこうと思います。

ドラゴンハイパー・コマンドユニットとは何か

そもそもドラゴンハイパー・コマンドユニットとは何かをひとことで言うと、石油コンビナートや化学プラントなどといったエネルギー・産業基盤の被災に備えて作られた特殊災害の対応に特化した部隊のことです。
日本全国で国土強靭化が進められていますが、ドラゴンハイパー・コマンドユニットは「国土強靱化基本計画」の中でも位置付けられています。
ドラゴンハイパー・コマンドユニットと聞くとどうしてもそのユニークな名前に注目してしまいますが、これは江戸時代に使われたポンプ式の消火道具、竜吐水にちなんで、英語でカタカナの名前を考えたそうです。
ちなみにドラゴンハイパー・コマンドユニットはエネルギー ・産業基盤災害即応部隊と呼ばれることもあります。
石油コンビナートや化学プラントなどの施設には、通常の火災対応では扱わないような化学物質などが保管されていることがあり、それに火が引火するなどすると、一般の消防では対応できないことがあるために、ドラゴンハイパー・コマンドユニットは活躍します。
部隊編成の中核車両として「大型放水砲車」「大容量送水ポンプ車」を千葉県市原市消防局と三重県四日市市消防本部に平成26年度に配備したことで、全国で初めてドラゴンハイパー・コマンドユニットが編成されました。

(ドラゴンハイパー・コマンドユニットの運用イメージ:消防庁HPより引用)
特に石油コンビナートや化学プラントなどの施設は日本全体のエネルギーに関するサプライチェーンの一角を担っていることがあり、その対応は確実に行う必要性が出てきます。

参照記事
水防団とは?災害時の役割と消防団との違いについて

ドラゴンハイパー・コマンドユニットの部隊編成

ドラゴンハイパー・コマンドユニットを構成している小隊は、基本計画に定める各隊(消火小隊、救助小隊等)に属しており、石油コンビナートや化学プラントなどのエネルギー・産業基盤における特殊災害発生時には、この中から必要な隊を抽出して再編成して、統一的な指揮の下に一体的な部隊運用を行います。
部隊は、エネルギー・産業基盤災害即応部隊指揮隊、特殊災害中隊、消火中隊を中心として編成するものとしており、地域の実情に応じて他の小隊(特殊装備小隊、後方支援小隊等)を加えるものとしています。
具体的な編成については、各都道府県等が定める緊急消防援助隊に係る応援等実施計画等に位置付けられ、運用されるようです。

(ドラゴンハイパー・コマンドユニットの部隊編成:消防庁HPより引用)
以上、ドラゴンハイパー・コマンドユニットについて、そもそもドラゴンハイパー・コマンドユニットとは何か、ドラゴンハイパー・コマンドユニットの部隊編成、などについて見てきました。
ドラゴンハイパー・コマンドユニットはエネルギーに関する特殊災害に専門性を部隊であり、その活躍に期待されています。

参照記事
緊急消防援助隊(緊援隊)とは?災害時に災害対応を行う消防部隊

参考サイト▪︎総務省消防庁「ドラゴンハイパー・コマンドユニットの新設」