農業保険法(農業災害補償法)とは?災害時に農家を支援する制度

災害が発生すると、人や建物などに大きな被害を及ぼすことがあります。人が被害を受けた場合には、国から経済的な支援を受けることができることがありますし、建物の被害についても各種支援制度が整っています。
そんな災害による被害ですが、時に災害は農家に対しても大きな被害をもたらすことがあります。農家の方々は、毎年定期的に稲などの収穫を行い、それを販売することで生計を立てていますが、収穫前の稲が災害で全てダメになってしまうこともあります。
このような場合には、農家の方々を経済的に支援する必要があるために、日本では農業保険法(農業災害補償法)というものが存在しています。
今回はそんな農業保険法について、そもそも農業保険法(農業災害補償法)とは何かについて簡単に書いて行こうと思います。

農業保険法(農業災害補償法)とは何か

そもそも農業保険法とは何かをひとことで言うと、災害などによって農業者が受ける損失を補填するための共済事業や保険事業を行うために、農業保険の制度を確立するための法律です。
2018年4月に法改正が行われたために「農業保険法」という名称になりましたが、それまでは「農業災害補償法」と呼ばれていました。
この農業保険法に基づいて、全国各地に農業共済組合が組織されて、実際の補償業務を行っています。農業保険法の特徴としては、法律で定められた保険事業であるため、掛金に対し国が補助を行っていることが挙げられます。

参照記事
孤立集落とは?災害に取り残された住民を助けるための対策

具体的には、農業者が行う共済掛金の原則50%を国が負担し、農業共済団体の事務に使われる費用の一部を国が負担しています。
もともと農業保険法は、自然災害などによって農業者が大きな損失を受けて事業を継続することができなくなることを防ぐために作られたものであり、農業者の経営安定化を図るための法律です。
対象となる事業は、稲や麦などといった農作物、牛や馬などといった家畜、ミカンや桃などといった果樹、大豆や玉ねぎといった畑作物、園芸施設、などが対象になります。
農業保険法に改正される前の農業災害補償制度では、自然災害による収穫量の減少が対象で、価格低下などは対象外であったり、対象品目が限定的であったりするなどの問題が存在しました。
この問題を解決するために農業保険制度では、農家の売上の減少を補償する収入保険になっています。
以上、農業保険法について、そもそも農業保険法(農業災害補償法)とは何かについて簡単に見てきました。
農業を行なっている人たちにとって災害は自分たちの生活の糧に直接的な影響を及ぼす脅威であり、その損害を補填してリスクを軽減させるために、農業保険法は貢献しています。

参照記事
ため池の災害時機能と防災対策しておく重要性について

参考サイト▪︎農林水産省「農業保険(収入保険・農業共済)」