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仙台市が防災環境都市として現在取り組んでいること

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2011年3月11日に発生した東日本大震災は仙台市に大きな被害をもたらしました。仙台市内では最大震度6強を観測して、地震、津波、地滑りなどによって大きな被害が発生しました。

この災害から年月も流れ、仙台市ではしなやかで強靭な都市に向けて防災環境都市づくりを進めいています。

今回はそんな仙台市が防災環境都市として現在取り組んでいることについて、仙台市まちづくり政策局が発行している「防災環境都市・仙台」を参考にしながら書いていこうと思います。

防災環境都市仙台:インフラ施設の復興

仙台市では東日本大震災によって下水道処理施設や住宅・マンションなどの建造物が壊れてしまいました。それらの施設をより良く復興させるためにいくつもの取り組みをしています。

その中の一つが、省エネで環境負荷の少ない浄化センターの復旧です。仙台市では南浦浄化センターにて市内の下水処理の70%を行っていました。しかし津波によって建物が壊滅的な被害を受けて、処理機能が停止してしまうという事態になりました。

そこで浄化センターの復旧を行い、今までよりも耐震性が高く、電源を喪失してもポンプを使用せずに最低限の下水処理を行い放流できるルートを確保するとともに太陽光発電設備も設置しました。

下水関連では、下水道施設の老朽化に伴って、道路陥没や浄化センター・ポンプ場での設備故障が発生しています。そのために下水道菅の耐震化を行っています。

なお、仙台市では東日本大震災の前に下水道事業継続計画(BCP)の策定に取り組んでいたことから、災害発生時には迅速に行動をすることができたと言われています。

参照記事
災害が環境問題に与える影響について!具体的な事例の紹介

防災環境都市仙台:津波被害を抑えるための多重防御

仙台市は東日本大震災の際に津波によって大きな被害を受けましたが、今後は同じような被害を発生させないために、「多重防御」の津波対策が行われています。

まず津波に対する第一の備えとして「海岸堤防」があります。頻度の高い災害に備えて、約9kmにわたる海岸堤防を建築しており、想定が上回る津波がきた場合にでも、堤防が壊れるまでの時間を少しでも長くする構造上の工夫もされています。

次に津波に対する第二の備えとして「海岸防災林」があります。自然環境と海辺の景観についても配慮した防災設備になっています。

津波に対する第三の備えが「かさ上げ道路」です。かさ上げ道路とは海岸に並行して走っている道路を約6m盛り土するというものです。道路に第二の堤防としての役割も持たせることで、津波による浸水被害を軽減させることができます。

この他にも津波対策として、避難道路や避難施設の建設、津波の災害危険箇所の住民については内陸部へと集団移転させるなどの防災対策も行っています。

参照記事
防災士とは?資格内容と試験の流れについて

防災環境都市仙台:エネルギーの地産地消

東日本大震災の際にはエネルギーシステムについても多くの課題を残しましたが、仙台市では災害に強くエネルギー効率の良い分散型エネルギーの創出や再生可能エネルギーの導入が進んでいます。

具体的にはまず太陽光発電システムがあげられます。東日本大震災の際に避難所では、電気・ガス・ガソリンなどの供給が途絶してしまいました。

これを踏まえて指定避難所となる小中学校などに太陽光発電と蓄電池を組み合わせたシステムを導入して、災害時に自立的に電源を確保できる体制構築を行っています。

この動きは小中学校のみならず、地域防災計画で防災拠点として指定を受けている民間施設に対しても進められており、民間施設の防災拠点で再生可能エネルギーの設備導入を行う際には補助金などを受け取ることができます。

この他にも仙台市では、特定のエネルギーに過度に依存せずに暮らしに必要なエネルギーを自ら効率的に生み出す「エコモデルタウンプロジェクト」や次世代エネルギー創出促進事業として、「藻類バイオマス」などの研究も進められています。

参照記事
防災における男女共同参画の取り組み!災害に女性の視点を

防災環境都市仙台:ソフト防災の整備

今までは災害対策の中でもハード防災を中心に見てきましたが、仙台市ではソフト防災についても数多くの対策を行っています。

まずソフト防災の基本になる仙台市の地域防災計画ですが、仙台市では震災後の平成25年に改訂を行い、災害時の被害を最小化する減災、災害時要援護者への配慮、男女共同参画の促進などが基本方針に盛り込まれました。

この他にも、避難所運営マニュアルの見直しを行ったり、総合防災訓練を行ったりなども行われています。

災害時に活躍できる人材の育成という観点では、自主防災組織の活性化と市内全域での防災力の底上げのために「仙台市地域防災リーダー(SBL)」の養成も行っています。

この他にも、災害時要援護者情報登録制度を行って避難支援体制作りに活用したり、福祉避難所として協定を締結する福祉施設を増やしたり、災害用備蓄物資を充実させたりなども行われています。

参照記事
「釜石の奇跡」の背景にあった防災教育について

防災環境都市仙台:東日本大震災の出来事を伝える施設

仙台市では東日本大震災での出来事を後世に伝えていくために、市民・地域団体と連携したメモリアル施設の運営、映像や写真によるアーカイブの整備、などを通して震災の出来事を伝えるための事業も行っています。

「震災遺構仙台市立荒浜小学校」は校舎を震災遺構として活用しており、「せんだい3.11メモリアル交流館」は荒井駅舎内にある震災伝承の拠点施設であり、「3がつ11にちをわすれないためにセンター」では震災とその復旧・復興プロセスを記録・発信しています。

以上、仙台市が防災環境都市として現在取り組んでいることについて見てきました。仙台市は東日本大震災を教訓により良いまち作りを行うためにさまざまな取り組みを行っています。

参照記事
阪神淡路大震災の神戸市と東日本大震災の仙台市での耐震性を比べる
もっと詳しく知る(参考サイト)
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