被災者支援総合交付金とは?その概要と目的について


2018.06.12

大規模な災害が発生すると実際に被災者が元の生活に復旧・復興を果たすまでには長い年月がかかります。
発災直後は世間も被災地に対して高い関心を持っていたとしても、年月を経るにつれて被災地に関するマスコミの報道も落ち着き、世間からの関心は低下していきます。
しかし、発災からしばらく年月が経過して、復興していく段階において被災地では様々な問題が発生します。
政府はこの問題を解決するために多くの復興施策を行いますが、東日本大震災の際にはこの施策を実行するにあたって「被災者支援総合交付金」と言うものが活用されています。
今回はそんな被災者支援総合交付金について、そもそも被災者支援総合交付金とは何か、被災者支援総合交付金の事業内容、などについて書いていこうと思います。

被災者支援総合交付金とは何か

そもそも被災者支援総合交付金とは何かをひとことで言うと、被災地の復興過程で発生する問題を切れ目なく支援するための事業に向けた交付金のことです。
被災地では復興の進展に伴い、避難生活の長期化、災害公営住等移転後のコミュニティ形成、避難指示解除区域における生活再建など、発災から年月が経過した後からも多くの問題が発生します。
そのような問題に対して、被災者の生活再建のステージに応じた切れ目のない支援を行うことを目的として被災者支援総合交付金の制度は存在しています。

具体的な内容としては、災害公営住宅への移転等に伴うコミュニティ形成の活動支援、被災者の生きがいをつくるための「心の復興」事業支援、県外避難者や帰還される方の相談支援、自主避難者の方々への情報提供の実施、仮設住宅や災害公営住宅等で暮らす高齢者等に対する日常的な見守り・相談支援の実施、子どもに対するケア、学習支援、交流活動支援などの実施、が挙げられます。
被災者支援総合交付金では、被災者支援に携わる方々のサポートを行う取組を支援することや被災地でのコミュニティ形成に関する項目に重点的に取り組んでおり、被災地の復興支援というフェーズに注力をしていると言えます。
被災者支援総合交付金の交付金そのものの資金の流れとしては、復興庁から直接で県・市町村に行くこともありますし、復興庁から各省庁を経由して県・市町村に行くこともあります。

参照記事
孤立集落とは?災害に取り残された住民を助けるための対策

被災者支援総合交付金の事業内容

被災者支援総合交付金を活用した事業内容は多数ありますが、その中からいくつかご紹介していこうと思います。

被災者支援総合交付金の事業内容①:「心の復興」

平常時の生活では、各地域ではコミュニティが形成されて、その中でつながりや生きがいを持って生活していることが一般的です。東日本大震災の際には避難生活が長期化し、災害公営住宅でコミュニティ形成がなされないことがありました。
そのために被災者の心身のケアや孤立防止が重要となるのですが「心の復興」事業では、地域コミュニティの再構築を図るための事業に100万円〜350万円の助成金を提供していました。

被災者支援総合交付金の事業内容②:被災者見守り・相談支援事業

被災者見守り・相談支援事業では、仮設住宅における避難生活の長期化等を踏まえ、被災者がそれぞれの地域の中で生き生きと安心して日常生活を営むことができるための施策を行っています。
具体的には、社会福祉協議会などに相談員を配置し、被災者の見守り・相談支援などを行っています。

被災者支援総合交付金の事業内容③:仮設住宅サポート拠点運営事業

仮設住宅サポート拠点運営事業では、被災地の仮設住宅における高齢者等の安心した日常生活を支えるため、総合相談支援、居宅介護サー ビス、生活支援サービス、地域交流等の総合的な機能を有する拠点として、「サポート拠点」の運営を推進しています。

被災者支援総合交付金の事業内容④:被災地健康支援事業

仮設住宅における生活の長期化により、生活不活発病や高血圧症の増加、栄養バランス等食生活の乱れや身体活動量の低下などを懸念する指摘もあり、長期間にわたり仮設住宅での生活を余儀なくされる被災者の方の健康支援は重要な課題となっています。
被災地健康支援事業では、被災自治体における健康支援活動の強化を図るため、仮設住宅における保健活動等を支援しています。
以上、被災者支援総合交付金について、そもそも被災者支援総合交付金とは何か、被災者支援総合交付金の事業内容、などについて見てきました。
被災者支援総合交付金は被災地の復興支援を行う上で重要なものであり、被災者を支える上で重要な役割を担っています。

参照記事
被災者生活再建支援法とはどのような制度なのか

参考サイト▪︎復興庁「被災者支援総合交付金交付要綱・交付要綱」