地球地図プロジェクトとは?世界レベルでの災害周辺地図作成


災害は日本だけではなく世界各地で発生しています。災害に限らず地球温暖化や環境問題など現在の社会では世界規模で発生している問題が多くあり、自分の国のことだけ考えるのではなく、時には世界規模の考えをすることが重要になります。
世界規模の問題を考えるためには、そもそも問題として何があるのかを分析するためのツールが必要ですが、そのようなツールを作ろうとしているプロジェクトとして「地球地図プロジェクト」があります。
地球地図プロジェクトはスマトラ沖大地震の際にも活用されたことがあり、災害の現場でも活用が期待されています。今回はそんな地球地図プロジェクトについて簡単に書いて行こうと思います。

地球地図プロジェクトとは何か

そもそも地球地図プロジェクトとは何かをひとことで言うと、地球環境問題など世界レベルで発生している問題の監視・分析等に必要な地球に関する基盤的な地理情報のデータベースを世界各国の国家地図作成機関の協力の下で整備するプロジェクトのことです。
1992年にブラジルのリオデジャネイロで開催された国連環境開発会議(地球サミット)で日本が提唱したのがきっかけで始まり、2008年にシステムが完成しました。

プロジェクトの進行管理は地球地図国際運営委員会が担当して、日本の国土地理院が事務局を務めています。
環境問題などもそうですが、災害に関しても日本で発生することだけに着目するのではなく、世界レベルで発生している問題を考えることが重要という考えもあり、防災の分野でも地球地図プロジェクトは注目されています。

参照記事
【One Concernインタビュー】シリコンバレーの防災AIベンチャーがついに日本進出

地球地図プロジェクトの内容

実際に地球地図プロジェクトで作成された地球地図で閲覧することができる内容としては、1kmの解像度で海岸線・行政線、交通網、標高、河川・湖沼、人口集中地区、植生、土地利用、土地被覆の8つのデータを統一された仕様で見ることができます。
地球地図では使用者の目的に応じてデータを追加することもでき、複数のデータを組み合わせて地図上に落とし込むことで、環境問題や災害問題について新たな相関性や発見を見つけることができる可能性があります。

(地球地図プロジェクト:国土交通省HPより引用)
この地球地図は災害の現場でも使用された実績があり、2004年にスマトラ沖地震が発生した際には地球地図を活用した取り組みがなされました。
実際に地球地図プロジェクトで作成されたデータについて開発者の立場から使用してみたい場合には、Github上でデータが公開されているので、試しに地球地図を活用したプロダクトを作ることも可能になっています。興味がある人は是非使って見てください。
以上、簡単ではありますが地球地図プロジェクトについて見てきました。「災害」と「地図」には密接な関係があり、地球地図はそこに「グローバル」という視点も加えたものになっています。今後も地球地図の活用が期待されています。

参照記事
災害が環境問題に与える影響について!具体的な事例の紹介

参考サイト▪︎Github「地球地図プロジェクト」