福祉避難所とは?効果的に運営する方法とガイドライン

2017.12.30

災害が発生して被災者が家に戻れない際には避難所を活用します。しかし、被災した住民を何でもかんでも同じ避難所に入れていたのでは運営がうまくいきません。避難所の生活はホテルや旅館に泊まるのとはわけが違います。
学校の体育館などが避難所として使われることが多いですが、広い体育館に段ボールを活用して区切って、数枚の毛布が配布されるだけの状態では、高齢者や障害者、災害で軽いケガを負った人などは生活に支障があり、体調を崩してしまうことも考えられます。
そんな要配慮者の人たちのために準備するのが「福祉避難所」です。配慮が必要な被災者でも避難生活ができるように福祉避難所を開設・運営することは大規模災害時には重要になります。
今回はそんな福祉避難所について、そもそも福祉避難所とは何か、福祉避難所を運営するポイントは何か、福祉避難所の確保・運営ガイドラインについて、緊急入所とは何か、などについて書いていこうと思います。

福祉避難所とは何か

福祉避難所とはひとことで言うと、高齢者や障害者など普通の避難所では生活に支障が出る方向けに開設される特別な避難所です。過去の災害で福祉避難所がないために問題が発生していたことから、災害対策基本法でも福祉避難所について言及されるようになりました。
福祉避難所の対象者としては、高齢者、障害者、妊産婦、ケガを負っている人などがあげられます。大きな体育館での避難所生活では、どうしてもトイレや配給場所まで歩けなかったり、精神疾患等で長期の避難所生活でのストレスが問題になる可能性があったりするのが福祉避難所を設立する主な理由です。
福祉避難所の設置場所としては、老人福祉センターや保健センター等が活用されることがよくあります。阪神・淡路大震災の際には避難所で要配慮者に介助が行き届かなくて亡くなられる方もおり、災害関連死として問題になりました。

参照記事
JMAT(日本医師会災害医療チーム)とは?日本医師会による災害派遣


福祉避難所を運営するポイント

福祉避難所を運営していく上で大切なことが、まず何よりも災害が発生する前の段階から福祉避難所の指定をしておくことです。災害が発生する前からどの施設を災害時に福祉避難所として活用するのかを協議しておきます。
福祉避難所を指定する上で考慮すべきことは、そもそも災害が発生しても耐えられるだけの建物構造や立地条件であること、スロープや広いトイレなどバリアフリーであることなどがあげられます。
具体的には、老人福祉施設や障害者福祉施設、保健センターなどが候補として考えられるので、平時から連携を結んでおく必要があります。
また、福祉避難所として活用できる施設を準備することも大切ですが、実際に要配慮者の世話をする支援者の手配をしておくことも大切です。そのためには、事前にそもそも自分の市町村には福祉避難所に来る可能性のある住民は何人くらいいるのかを把握しておき、それらの対応を災害時にもできる専門家と提携をしておく必要があります。

福祉避難所の確保・運営ガイドラインについて

福祉避難所を災害時に開設して運営することは日本全体が抱える課題であり、内閣府ではそのためのガイドラインとして「福祉避難所の確保・運営ガイドライン」と言うものを公表しています。
福祉避難所について詳しく知りたいという場合には、とりあえずこのガイドラインを読んでみるのが良いでしょう。ページ数がかなり多いので読むのが大変ではありますが、この中に基本的なことはすべて書かれているので、是非一度読んでみてください。

参照記事
介護福祉施設でBCPや防災計画を作成することの重要性について

緊急入所とは何か

高齢者や障害者等の要配慮者は全員を福祉避難所で対応すれば良いのかというと厳密には違います。確かに福祉避難所は普通の避難所と比べれば要配慮者にとって生活しやすいですが、避難所であることに違いはありません。
福祉避難所でも生活が困難になった要配慮者については緊急入所で対応するのが一般的です。そのほか、災害では怪我を負う人も多く発生することが想定されますが、医療的な対応が必要になった場合には医療機関への移送も考える必要があります。
以上、福祉避難所について見てきました。福祉避難所は普通の避難所では対応できない被災者に生活をしてもらうための大切な施設です。しかし、その運営は普通の避難所よりも難しく、事前にどれだけ福祉避難所の準備ができているのかが重要になってきます。

参考サイト▪︎内閣府「福祉避難所の確保・運営ガイドライン」