災害時における避難所トイレの問題点と管理方法

2018.01.01

災害が起きるとそれに伴って被災地では様々な問題が発生します。備蓄している避難食だけでは足りないので被災者に飲料水や食料を届けることもありますし、避難者が少しでも快適に睡眠が取れるように段ボールのパーテッションや毛布が配られることもあります。
それらと同じくらい重要な問題として避難所でのトイレの管理があります。なんだ、たかがトイレかと思うかもしれませんが、被災地でのトイレの管理は衛生の観点からとても重要です。
実際に阪神・淡路大震災では避難所におけるトイレの重要性が今ほど知られておらず、 避難所のトイレ管理を十分にすることができなかった故に被災者の健康面に悪影響を及ぼしました。
今回はそんな避難所におけるトイレの問題点と管理方法について、内閣府が公表している「避難所における トイレの確保・管理ガイドライン」を参考にしながら書いていこうと思います。

災害時における避難所トイレの問題点

災害時において避難所のトイレをしっかりと管理することは重要です。水や食料の確保と同様に、被災者の生活を支えるライフラインの一つとトイレを見なして、適切な対応を行う必要があります。
災害時における避難所のトイレが問題になる理由はいくつかありますが、大きな問題としては、避難所トイレの衛生面が悪化すること、排泄の我慢が健康悪化につながることがあげられます。

避難所トイレの衛生面が悪化する

まず真っ先に挙げられることとして、感染症の問題があります。災害が発生してトイレの水洗機能が働かなくなると、排泄物が流れていかずに滞ります。そのためにトイレ内に溜まった排泄物から細菌が繁殖し、感染症や害虫が発生してしまうのです。

排泄の我慢が健康悪化につながる

避難所でトイレが重要になる2つ目の理由として、トイレが汚いと排泄を我慢する被災者が出てくる問題があります。排泄を我慢すると、食料や水分補給も控えることにつながってしまいます。
それが結果的に、栄養状態の悪化、脱水症状、エコノミークラス症候群などの体調悪化につながる可能性もあります。このように避難所におけるトイレの管理は被災者の健康に大きな影響を及ぼすので、しっかりと管理していく必要があります。

参照記事
防災・災害対応に関する各種ガイドライン・手引きを一挙ご紹介!

災害時における避難所トイレの管理方法

避難所トイレの安全性

避難所にトイレを設置する中で考慮すべき点として「安全性」があります。夜間でも生活スペースからトイレに行くまでに照明で照らすことや、野外に設置する場合には強風でも倒れないように固定すること、防犯ブザーを設置することなどが考えられます。

避難所トイレの衛生・快適性

避難所にトイレを設置する中で考慮すべき点として「衛生・快適性」があります。感染症を予防するためにも手洗いを徹底させて、手洗い用の水を確保する必要があります。屋内にトイレを設置する場合には専用のスリッパを準備する必要もあります。

避難所トイレの多様性

避難所トイレは男性用と女性用に分けて、設置にあたっては男性だけで行わずに女性の意見も取り入れるべきです。また、中には子供と一緒に入れるような大きめなトイレも準備しておき、オムツを交換できるようスペースも合わせてあると良いです。
その他、高齢者でも使いやすい避難所トイレという考え方も重要です。一般的に避難所のトイレは和式のものが多いので、足腰の弱い高齢者には使いにくいものとなっております。そのために中には高齢者用の洋式トイレを確保する必要もあります。
なお、避難所に設置すべきトイレの目安は災害発生当初は避難者50人につきトイレ1基で、避難が長期化する場合には避難者20人につきトイレ1基がガイドラインによる目安となっております。

(災害時のトイレの確保・管理にあたって配慮すべき事項:内閣府HPより引用)
以上、災害時における避難所トイレの問題点と管理方法について見てきました。災害の混乱している中でたかがトイレに時間や労力を割くわけにはいかないと思われがちですが、避難所におけるトイレの管理を徹底することは二次災害を防止するためにも重要なのです。

参照記事
避難所の運営を効果的に行うには?ガイドラインを参考にした運営

参考サイト▪︎内閣府「避難所における トイレの確保・管理ガイドライン」