「釜石の奇跡」の背景にあった防災教育について

2018.07.06

東北の三陸地方は、昔から地震や津波を多く経験しており、災害が多い日本の中でも今までにたくさんの災害を経験している地域であると言えます。そのために防災のための教訓が伝承されており、住民の間で強い防災意識ができていました。東日本大震災の際にも、三陸地方にある岩手県釜石市には大きな津波が押し寄せてきましたが、小中学校では防災教育がされていたこともあり、比較的に被害を抑えることができました。
この背景には、群馬大学大学院の片田教授が岩手県釜石市の小中学校に対して東日本大震災の8年前から防災教育を行っていたことがあります。この「釜石の奇跡」に繋がった防災教育で伝えられていた避難に関する3原則について書いていこうと思います。

避難の3原則①:想定にとらわれるな

釜石の奇跡に繋がった防災教育で伝えられていた避難に関する3原則の一つ目が「想定にとらわれるな」ということです。
津波や地震などの被害を事前に想定するものにハザードマップがあります。ハザードマップは仮にそのエリアで災害が発生した場合の危険な場所が記載されているものですが、これはあくまである災害の想定に基づいて作られたものです。

(津波で破壊された防潮堤:災害写真データベースより画像引用)
そのために、ハザードマップで危険になっていないから避難しなくても良いとは考えずに、災害は時に人間の想定を大きく超えてくるということを意識して、仮に被害想定にとらわれることなく避難をする必要があります。
これは防潮堤などの防災施設に対しても同じであり、仮に住んでいるところの近くにある防潮堤が予測される津波の高さよりも高かったとしても、油断することなく想定にとらわれない行動をすることが重要です。

参照記事
津波てんでんことは?その4つの意味からみる災害教訓

避難の3原則②:最善を尽くせ

津波などの災害はどこまで迫ってくるのかを事前に知ることはできません。そのために、避難をしている際には、自分がその時にできる最大限の避難を行い、これ以上ない精一杯のところまで避難をする必要があります。
とにかく油断はせずに、その時に考えられるベストな速さと距離の避難を行うことが重要になります。

避難の3原則③:率先避難者たれ

いざ災害が迫っているので逃げてくださいと言われても、そうは言っても大丈夫だろうと周りのみんなが避難をせずにいる状態になることがあります。
そんな時には勇気を出して率先して避難を行うことで、周りの人たちの避難を促すことで、避難行動を引っ張っていく必要があります。

(津波被害を受けた救急車両:災害写真データベースより画像引用)
以上、「釜石の奇跡」に繋がった防災教育で伝えられていた避難に関する3原則について見てきました。
どれもテクニックなどではなく、精神的な心の持ちようというものですが、とにかく想定にとらわれず全力で避難することで多くの命が救われることがあります。

参照記事
学校の防災マニュアルを作成する際のポイント

参考サイト▪︎内閣府「東日本大震災から学ぶ 〜いかに生き延びたか〜」