アルファ化米(アルファ米)とは?美味しい非常食の作り方
災害が発生した際には、電気・水道・ガスなどのライフラインが寸断されてしまい、スーパーも営業を一時停止したりするために、普段通りのご飯が食べられないことがあります。
そのために、政府からは個人家庭が最低でもそれぞれ3日分の非常食を準備することが推奨されており、災害発生から最初の3日間はなんとか非常食で食いつないでいけるようにする必要があります。
非常食と言うと、乾パン・缶詰・レトルト食品・インスタント食品などを想像する人も多いかと思いますが、日本人はやはり主食が米ということもあり、お米の非常食であるアルファ化米が注目されています。
今回はそんなアルファ化米について、そもそもアルファ化米(アルファ米)とは何か、アルファ化米ができた背景、アルファ化米の作り方、などについて書いていこうと思います。
アルファ化米(アルファ米)とは何か
そもそもアルファ化米とは何かをひとことで言うと、お水やお湯をかけるだけで食べることができるお米の非常食のことです。
一般的にお米を食べようと思ったら、ご飯を電子レンジで炊く必要があるかと思いますが、災害時には電気が止まることがあるので電子レンジが使えなくなるかもしれません。
そんな時にアルファ化米を食べることで、電気がない状態であったとしても水をかけるだけでご飯の準備をすることができます。
(避難所前での食料供給:災害写真データベースより画像引用)
アルファ化米はアルファ米と呼ばれることもありますが、どちらも同じ意味になります。
アルファ化米という名前から想像すると、何か特殊な化学物質によって加工されているように気もしますが、アルファ化米は普通通りに炊いてできたお米を急速に熱風で乾燥させる方法で作られています。
お米を乾燥させることでできるアルファ化米は、生のお米から炊飯したご飯と同じデンプン構造をしているため美味しさを維持することができます。
最近ではただの白米だけではなく、五目ご飯、わかめご飯、赤飯、チキンライスなど味も多種多様であり、楽しんで非常食を食べることができます。
保存期間も5年間が一般的であり、水を入れるだけで簡単に食べれれることからその普及が進んでいます。
アルファ化米ができた背景
アルファ化米ができた背景には第二次世界大戦があります。戦争では限られた資源の中で戦わなければなりませんが、軍隊としても火力を使わずに食べられるご飯が必要になりました。
そこで大阪大学産業科学研究所の二国二郎と尾西食品がアルファ化米の開発を行い、大量のアルファ化米が軍で活用されました。
その後のアルファ化米の利用は学校給食、キャンプ、登山の携行食などに利用されていたのですが、東日本大震災の影響で制定された東京都帰宅困難者対策条例によって非常食を備蓄する会社が増えると、アルファ化米が急速に広がりました。
アルファ化米の作り方
アルファ化米ができるまでのその作り方は、まず玄米を精製することから始まります。石、ガラス、金属などの異物混入がしないように異物除去をしながら精米されていきます。
次に、お米を洗米して、大きなランクでお米を洗っていきます。洗米が終わるとそのお米を炊いていき、炊き終わったらすぐに熱風によって乾燥させます。乾燥が終わったらそのアルファ化米を包装し、製品として出来上がります。
特に変な加工物が入っているわけではないので、安心して災害時にもアルファ化米は食べることができます。
以上、アルファ化米について、そもそもアルファ化米(アルファ米)とは何か、アルファ化米ができた背景、アルファ化米の作り方、などについて見てきました。
一度アルファ化米を食べると分かるかと思いますが、アルファ化米は非常食=美味しくないものと言う考え方を変えてきています。災害時に被災者は肉体的にも精神的にも疲れますが、そんな時に少しでもお美味しいご飯を食べることができれば、被災者の負担は大きく軽減されるのかもしれません。
参考サイト▪︎尾西食品株式会社「アルファ米について」