ICHARMとは?水害とリスクマネジメントで国際支援するために
日本では毎年のように洪水や内水氾濫などの水害がどこかで発生していますが、水害は日本だけの問題ではなく世界中の至るところで発生している国際的な問題です。
世界レベルで水害による被害を少しでも抑えるためには水害に関する国際的な機関が必要になりますが、その役割を果たす機関の一つにICHARM(水災害・リスクマネジメント国際センター)があります。
今回はそんなICHARMについて、そもそもICHARM(水災害・リスクマネジメント国際センター)とは何か、世界ではどのような水害が発生しているのか、などについて書いていこうと思います。
ICHARM(水災害・リスクマネジメント国際センター)とは何か
そもそもICHARM(水災害・リスクマネジメント国際センター)とは何かをひとことで言うと、自然、社会現象の観測、分析、手法・手段の開発、能力育成などを行う、水関連災害・リスクマネジメントの世界的な中核的研究拠点のことです。
2006年に日本政府の提案の元で、ICHARMはユネスコ(国連教育科学文化機関)の後援組織として世界から水害による被害を軽減させるために設立されました。
設立以来ICHARMユネスコをはじめとする関係機関の協力を受けて、研究・研修・情報 ネットワークなどの面において国際的な貢献を続けてきています。
研究分野においても、統合洪水解析システム (IFAS)という衛星データを活用した洪水予測システムを開発して早期警戒に役立てる活動を行っています。
また、RRIという降雨流出氾濫モデルを開発し、タイで洪水が発生した際には、洪水継続中にその後の長期的な氾濫シミュレーション結果を公表することで、早期警戒に役立てるとともに、治水マスタープランの作成支援を実施するなどの活動を行いました。
人材育成の分野においても発展途上国から、200名を超える優秀な人材学生を研修し、各国の防災研究実践の将来を担う人材も輩出しています。
このようにICHARMは日本の進んだ水害に関する防災技術を国際社会に寄与することに大きく貢献しており、大きな役割を担っていると言えます。
世界ではどのような水害が発生しているのか
日本ではたまに台風や大雨によって河川が結果して洪水になり、大きな被害をもたらしたりすることがありますが、2005年にはアメリカでハリケーン・カトリーナが大きな被害をもたらしました。
2007年にはバングラデシュでサイクロンによる被害が発生し、2008年にはミャンマー、2009年にはフィリピン、2010年にはパキスタンなど、世界のありとあらゆるところで水害は発生しています。
最近では東南アジアへの多国籍企業の進出も進んでおり、2011年のタイでの洪水の際には製造業の工場が大きな被害を受けてその影響は世界中に及びました。
このように、水害は世界中で発生しており、グローバル化が進んでいる現在においては、被災して国だけではなく世界中の国に影響が出てくる可能性もあります。
そのような観点からも、ICHARMのような世界レベルで水害に対する防災活動を行う組織が今後はより重要になってくるかもしれません。
以上、ICHARMについて、そもそもICHARMとは何か、世界ではどのような水害が発生しているのか、などについて見てきました。
ICHARMは日本の進んだ防災技術を国際社会に役立てることに大きく貢献しており、今後の活躍にも期待がかかっています。
参考サイト▪︎ICHARM