緊急防災・減災事業債と防災対策事業債とは?制度の概要について

2018.05.23

地震、津波、土砂災害など日本は災害が多発する国であり、毎年のようにどこかで災害が発生しています。これらの災害による被害を少しでも小さく抑えて、災害に強い街を作るためにはそれだけお金がかかってしまいます。
その費用負担を地方自治体が全て自分たちでまかなうには大変であり、予算のない小さな自治体だとなかなか防災対策が進まないという負のスパイラルに陥ってしまいます。
このような問題を解決するために「緊急防災・減災事業債」や「防災対策事業債」といった地方債が存在しています。
今回はそんな緊急防災・減災事業債や防災対策事業債について、緊急防災・減災事業債とは何か、防災対策事業債とは何か、などについて書いて行こうと思います。

緊急防災・減災事業債とは何か

まずは緊急防災・減災事業債から見て行こうと思います。そもそも緊急防災・減災事業債とは何かをひとことで言うと、防災対策にかかる費用を対象とする地方債のことです。
全国的に緊急に実施する必要性が高く、即効性のある防災、減災等のための事業のうち、住民の避難、行政・社会機能の維持及び災害に強いまちづくりに資する地方単独事業を対象としており、東日本大震災を教訓として生まれました。
具体的な対象となる費用については、災害時に災害対策の拠点となる公共施設及び公用施設の耐震化と津波浸水想定区域内にあり、地域防災計画上、津波対策の観点から移転が必要と位置付けられた公共施設及び公用施設の移転にかかる費用、指定避難所における避難者の生活環境の改善のための施設の整備費用などになります。
この他にも、全国瞬時警報システム(J-ALERT)の新型受信機の導入・情報伝達手段の多重化、消防の広域化又は共同化に伴う高機能消防指令センターの整備、防災行政無線のデジタル化なども緊急防災・減災事業債の対象であり、防災対策に関して幅広い資金使徒が認められています。
緊急防災・減災事業債は地方債充当率100%であり、地方交付税交付金算入率が70%なので、市の負担が30%で国の負担が70%になります。

(緊急防災・減災事業債:銚子市HPより引用)

防災対策事業債とは何か

次に防災対策事業債について見て行こうと思います。防災対策事業債とは何かをひとことで言うと、緊急防災・減災事業債と同じで防災対策にかかる費用を対象とする地方債のことです。
ただし具体的な対象となる資金の使い道は異なっており、防災対策事業債では防災拠点施設、消防水利施設、初期消火資機材の整備等が対象になります。
市が負担する割合についても防災対策事業債と緊急防災・減災事業債では異なっており、防災対策事業債は地方債充当率が75%であり、残りの25%は一般財源になります。
また、地方債充当率の中でも地方交付税交付金算入率は30%であり、市の負担が77.5%で国の負担が22.5%になります。

(防災対策事業債:銚子市HPより引用)
このように緊急防災・減災事業債と防災対策事業債を比べると、緊急防災・減災事業債の方が財源的に非常に有利な制度であるといえます。
以上、緊急防災・減災事業債や防災対策事業債について、緊急防災・減災事業債とは何か、防災対策事業債とは何か、などについて見てきました。
防災対策はお金のかかるものであり、特に予算のない地方自治体にとってはいかに自分たちの負担を少なく防災対策を行うのかが重要になってきます。そのためにも、緊急防災・減災事業債や防災対策事業債などを有効に活用することが必要になってきます。

参照記事
自然災害による被災者の債務整理に関するガイドラインについて

参考サイト▪︎総務省「地方債同意等基準運用要綱について」