地区内残留地区とは?大規模な延焼火災の恐れがないエリア

日本では過去に阪神淡路大震災や東日本大震災など大きな自信が発生しており、今後発生する可能性が高い大きな地震として、南海トラフ地震や首都直下地震があると言われています。
地震が発生した場合には、地震によって建物が壊れてその下敷きになることで犠牲者が出ることもありますが、地震によって火災が発生し、その火災が延焼して拡大することで犠牲者が増えることもあります。
そのために万が一地震によって火災が発生したとしても建物が延焼しにくく、広域的な避難をしなくてもすむようにできればベストなのですが、日本には何箇所かそのエリアに指定されている場所があり、そのエリアのことを「地区内残留地区」と呼びます。
今回はそんな地区内残留地区について、そもそも地区内残留地区とは何か、地区内残留地区の調べ方、などについて書いていこうと思います。

地区内残留地区とは何か

そもそも地区内残留地区とは何かをひとことで言うと、地区全体で建物の不燃化が進んでおり、万が一地区のどこかで火災が発生しても、その火災が地区全体に広がるって大規模な延焼火災になる恐れがなく、地区に住んでいる住民が広域的な避難をしなくても良い地区のことです。
東京都都市整備局によると平成25年5月時点で地区内残留地区は34カ所あり、面積にすると約100㎢が指定されています。
地区内残留地区の基準は面積が65ヘクタール以上であり、そのうち不燃領域が70%以上で、木造住宅が50棟以上連担しないエリアであるかどうかです。

地震などの災害が発生した場合には、むやみやたらに外に逃げるのが必ずしも正しいわけではありません。外を歩いている最中に地震によってダメージを受けた建物が崩れ落ちてその下敷きになることもあり得ますし、余震によって更なる被害が拡大することもあり得ます。
そのために建物の耐震性がしっかりとしていて、火災が発生する危険性がない場合には、安全になるまでむやみやたらに外に出ないという避難の仕方も一つの方法として考えられるのです。
このように地区内残留地区は万が一地震によって火災が発生しても延焼による被害が発生しにくいエリアなのですが、100%大丈夫という訳では当然ながらありません。
そのために、場合によっては迅速に避難をしなければならないときもあるので、地区内残留地区だから大丈夫だと過信しすぎずに、災害はいざ起きてみないと何があるか分からないという前提で動く必要があります。

参照記事
防災まち歩きとは?そのやり方と防災まち歩きマップ作成方法

地区内残留地区の調べ方

現在この地区内残留地区に指定されているエリアは東京都の一部のエリアのみであり、官公庁が集まってる千代田区全域、中央区の銀座、日本橋周辺などが地区内残留地区に該当しています。
実際にどのエリアが地区内残留地区なのか調べたい場合には、東京都都市整備局ホームページから閲覧することができます。
東京都都市整備局ホームページでは、避難場所及び避難道路図を定期的に更新しながら公開しており、その中で地区内残留地区がどのエリアなのかを具体的に示しています。

以上、地区内残留地区について、そもそも地区内残留地区とは何か、地区内残留地区の調べ方、などについてみてきました。
東京ではそう遠くない未来に首都直下地震が発生すると言われており、もし本当に発生してしまった場合には、東京都全域に大きなダメージを与える可能性があります。
地震などの災害が発生した場合には、火災がセットで発生してしまうことが多いですが、地区内残留地区ではその被害を他のエリアと比べて小さく抑えることができるかもしれません。

参照記事
津波火災とは?そのメカニズムと東日本大震災での事例

参考サイト▪︎東京都都市整備局「避難場所等の概要」