道の駅の防災拠点としての役割と現状の課題について
災害が発生した際には、市役所や学校、その他の公共施設などが避難場所や防災拠点として機能し、住民を災害から守るために大きく貢献します。
「道の駅」は多くの施設を兼ね備えたパーキングエリアのような存在として、平常時には休息場所、地域連携の場所、情報発信の場所などいくつもの機能を兼ね備えていますが、災害時には防災拠点や避難場所として機能することもあります。
今回はそんな道の駅について、そもそも道の駅とは何か、道の駅の防災拠点としての役割、道の駅の防災拠点としての課題、などについて書いていこうと思います。
道の駅とは何か
そもそも道の駅とは何かを改めて確認したいのですが、道の駅とは大きめなパーキングエリアのようなものであり、その中にはいくつもの施設を併せ持っています。
全国の一般幹線道路に設けられた施設であり、長距離運転者向けの駐車場付き休憩施設、道路・地域の情報提供、地域の特産物の販売などが設置されています。
道の駅を名乗るためには国土交通省に申請をする必要があるのですが、その際には、24時間使えるトイレがあること、などいくつもの要件がありますが、今では日本で1,000を超える道の駅が存在しています。
このように道の駅には休憩機能、地域連携機能、情報発信機能の3つの機能が存在していると一般的には言われているのですが、災害発生時にはここに防災機能が追加されることがあります。
道の駅の防災拠点としての役割
道の駅には普段から多くの人が集まり、様々な機能を持っていますが、それゆえに災害時は防災拠点として機能することで多くの被災者を助けることができます。
具体的に東日本大震災の際には、多くの被災者が食料や情報を求めて道の駅に避難してきており、道の駅で売られている地域の特産物の商品を食料として被災者に提供したり、炊き出しを行ったり、トイレを提供したしました。
また、自衛隊やレスキュー隊もアクセスが良好である立地的な条件などもあり、活動拠点として道の駅を活用しすることがありました。
このように道の駅は災害時には防災拠点として機能することができれば、被災者をより多く支援することができることから、防災拠点として機能するように道の駅を整備することが求められています。
道の駅の防災拠点としての課題
このように道の駅は防災拠点としての役割を期待されているのですが、現状の道の駅では防災拠点として効果的に機能させるにはいくつかの課題を抱えているところが多いです。
まず、地域防災計画の中に道の駅を防災拠点として位置付け、地方公共団体との災害協定を事前に締結しておき、災害マニュアルの作成などを行うことで、最災害時の責任の明確化や運営体制を整える必要があります。
また、災害時に発電機などの防災設備が使えるように整備をしておき、代替用通信機器や、燃料備蓄などを保管しておく必要もあります。
災害時には来訪者を適切かつ迅速に避難誘導をするために、日頃から防災訓練も行っておき、いざという時に備える体制を作っておくことが、道の駅には求められています。
このように道の駅はソフト対策という観点では防災マニュアルを作成して防災訓練を行っておく必要があり、ハード対策という観点では耐震化や災害対応で必要になる備品の整備を行っておく必要があるといえます。
以上、道の駅について、そもそも道の駅とは何か、道の駅の防災拠点としての役割、道の駅の防災拠点としての課題、などについて見てきました。
道の駅は平常時から地域住民やその地域に訪れた人たちにとっては重要な場所として機能していますが、災害時には災害拠点としての役割も求められており、今後の対策が必要になってきています。
参考サイト▪︎総務省「「道の駅」の防災機能の向上に関する調査の結果」