ピロティ構造とは?地震や津波に強い家を作るために
建物の建築方法は多岐に渡ります。和風か洋風かだけでも建物の形態は大きく変わり、耐震性もそれに伴って変わってきます。土地を有効に活用したり、デザイン性の優れた家に住んだりしたりするために、建物の建て方は数多くあります。
今回はそんな数ある建物の中でも「ピロティ構造」という建築方式に関して、そもそもピロティ構造とは何か、ピロティ構造と地震との関係はどうなのか、ピロティ構造と津波との関係はどうなのか、などについて書いていこうと思います。
ピロティ構造とは何か
そもそもピロティ構造とは何かをひとことで言うと、1階部分は柱などだけにして、2階以上に居住スペースやオフィススペースにするような建築方式です。ピロティとは元々フランス語で「杭」という意味であり、一階部分に杭が出ているような外観になっています。
どこかオシャレなデザインであるピロティ構造は、公共建築物などに使用されていることが多く、ピロティ構造として有名な建物として、広島平和記念資料館、東京江戸博物館などがあります。
ピロティ構造で建てられた建物は1階部分に壁がなくて柱がむき出しになっているような構造なので、開放的であり、住宅の場合には一階部分は駐車場にして車を置く場所として活用している住宅をたまに見かけます。
ピロティ構造と地震との関係はどうなのか
ピロティ構造は地震に対して弱くて耐震性が良くないと言われることが多いです。実際に阪神淡路大震災が発生した際にはピロティ構造によって作られた建物で崩壊したものが多かったためにその耐震性が指摘されました。
ピロティ構造によって建築する際には、その耐震性に関してしっかりと調査をして地震に耐えうるかどうか調べておくことが重要になります。
ピロティ構造と津波との関係はどうなのか
上記で述べたようにピロティ構造と地震は相性が悪いのですが、ピロティ構造と津波に関しては相性が良いという意見もあります。
実際に東日本大震災で津波が発生した際には、津波の高さが4m未満だった地区では1階部分が柱のみであるピケティ構造の建物は津波の被害が比較的に少なく済んだと言われています。
ピロティ構造では外壁がないので、津波の横からのエネルギーを直接的に受けることがなかったことが原因と考えられています。ただし、津波が発生したエリアによっては漂流物がピロティ構造の柱にぶつかってしまうなどの可能性もあるので、一概にピロティ構造であれば津波に強いと言い切ることも難しいかと思います。
ピロティ構造に限った話ではありませんが、どんな建物に住めば災害から安心して暮らせるかは、その地域で発生しうる災害の種類、建物の立地条件、地盤の状態など様々な要因が関わってくるので、総合的な調査をする必要があります。
以上、「ピロティ構造」という建築方式に関して、そもそもピロティ構造とは何か、ピロティ構造と地震との関係はどうなのか、ピロティ構造と津波との関係はどうなのか、などについて見てきました。
阪神淡路大震災の際には経済的に余裕のなかった学生が、耐震性は低いけど安価な木造アパートに住んでいたことで、他の耐震性の良い建物に住んでいた住民よりも犠牲者が多かったという意見もあります。災害から自分の身を守るためにはどうんな建物に住むのかということが重要になってきます。
参考サイト▪︎ピロティ構造を対象とした津波波力に関する実験的研究