洪水から適切に避難するために事前にすべきこと・したこと

2018.07.06

日本では台風や大雨によって全国各地で浸水害が発生しています。最近では平成27年9月関東・東北豪雨によって鬼怒川の堤防が決壊して、茨城県常総市では約1万1千棟が浸水被害にあいました。
国土交通省ではこの水害を受けて、堤防決壊に伴う氾濫流による家屋の倒壊・流失、地方公共団体による避難判断・広域避難、避難の遅れと長時間・広範囲の浸水による多数の孤立者の発生の3点を主な課題と捉えて、平成27年に「避難を促す緊急行動」を実施しました。
今回はこの「避難を促す緊急行動」を参考にしながら、洪水から適切に避難するために事前にすべきことについて書いていこうと思います。

市町村が洪水避難を適切に判断するためにすべきこと・されたこと

氾濫シミュレーションの公表

市町村が洪水避難を適切に判断するためにされたこととして、氾濫シミュレーションの公表があります。国土交通省では、仮に決壊した場合には甚大な被害をもたらす可能性のある河川について、決壊地点を想定した時系列の氾濫シミュレーションを公表しています。

タイムラインの整備

市町村が洪水避難を適切に判断するためにされたこととして、タイムラインの整備があります。タイムラインとは台風などが上陸する72時間前から、どのタイミングでどの機関が何をしなければならないのかをまとめたものです。
このタイムラインについて仮に河川が決壊した場合に被害が発生する恐れがある河川の堤防沿いの約280市町村に対して、避難のためのタイムラインの整備が進められています。

(タイムラインの整備:国土交通省HPより引用)

洪水予報文、伝達手法の改善

洪水予報は、発表の対象区域や避難の切迫性が首長や住民に確実に伝わるようにする必要があるために、その洪水予報文についても改善が進められています。

市町村へのリアルタイム情報の充実

国土交通省では新たに河川周辺エリアのライブ画像を提供し、河川水位、レーダー雨量などの情報とあわせて市町村ごとにリアルタイムに河川情報を把握できるようにシステムを改良しています。
この他にも、首長向けのトップセミナーを開催して、洪水予報やホットラインなど出水時に河川管理者から提供される情報とその対応方法の説明、水害対応チェックリストを作成して出水時に河川管理者から提供される情報に対して各地公共団体が行うべき事項を整理など、市町村が洪水避難を適切に判断するためにいくつかの施策がされています。

参照記事
流域雨量指数とは?洪水警報の危険度分布を算出する指標

住民が洪水避難を適切に判断するためにすべきこと・されたこと

家屋倒壊危険区域の公開

仮に河川が決壊すれば甚大な被害をもたらす恐れがある河川について、家屋倒壊危険区域を設定・公開しています。

(家屋倒壊危険区域の公開:国土交通省HPより引用)

GPSを活用したリアルタイムの洪水情報入手

行政からのアナウンスだけではなく、地域住民が自ら判断して洪水から避難できるように、スマホなどからGPSを活用してワンクリックで自分の現在地に関するハザードマップや河川水位などの情報を入手できるようにシステムの改良が進められています。

ハザードマップポータルサイトの活用促進

各市町村の洪水、内水氾濫、土砂災害などのハザードマップが一覧できて、浸水想定区域や旧河道などの地形を重ねて表示できるハザードマップポータルサイトの周知と活用の促進が行われています。
この他にも、洪水に対してリスクが高い区間の共同点検や住民への周知活動、氾濫シミュレーションの公表など、住民が洪水避難を適切に判断するためにいくつかの施策が行われています。
以上、洪水から適切に避難するために事前にすべきことやされたことについて見てきました。洪水からの被害をできるだけ小さくするには事前に防災対策がどれだけできるのかが重要になります。

参照記事
浸水想定区域とは?洪水ハザードマップの基本的な考え方

参考サイト▪︎国土交通省「避難を促す緊急行動」