ハザードマップに潜む危険性と課題について

災害が発生した又は発生しそうな際には、適切な避難をする必要があります。自分は今被害を受ける可能性があるのか、被害を受ける可能性がある場合にはどうすればその被害を避けられるのかを判断する必要があります。
そのような時に使えるツールの一つにハザードマップがあります。ハザードマップとは自然災害による被害を予測して、その被害範囲を地図化したものですが、このハザードマップを見ることで、どのエリアであれば災害から身を守る子とができるのか把握することができます。
このようにハザードマップは災害から避難するために便利なツールであるのですが、一方でハザードマップは利用するにあたって注意しなければならない点もあります。
今回はそんなハザードマップに潜む危険性と課題について、そもそもハザードマップとは何か、ハザードマップの課題、などについて書いていこうと思います。

ハザードマップとは何か

そもそもハザードマップとは何かをひとことで言うと、自然災害による被害を予測して、その被害範囲を地図化したもののことです。
ハザードマップには、予測される災害の発生地点、被害範囲と被害程度、避難経路、避難場所などの情報が書かれています。

ハザードマップと似たものに防災マップと呼ばれるものもありますが、これは特定の災害を想定しないで、避難経路、避難場所、防災機関などの情報を地図上に落とし込んだものです。
ハザードマップは水害、土砂災害、地震、津波、など災害の種類に応じてハザードマップは存在しています。
ハザードマップを活用することにより、災害発生時に住民は迅速かつ的確に避難をすることができ、二次災害が発生する可能性のある場所を避けて避難することができるために、災害による被害を小さくすることができます。

参照記事
浸水想定区域とは?洪水ハザードマップの基本的な考え方

ハザードマップの課題

このようにハザードマップは災害から避難をする際に被害をできるだけ小さくすることができ、有効なツールであることは間違いありません。
しかし一方で、自然災害を予測することなどできないという課題が存在しているのも事実であり、ハザードマップを活用する際の注意点としてその課題を認識する必要があります。
自然災害とは複雑なものであり、その発生地点や発生規模などを特定することはできません。
想定を超える自然災害は常に発生する可能性はあり、場合によってはハザードマップで危険とされていないエリアにまで危険が及ぼされる可能性もあります。

ハザードマップで安全とされている地域にいるとどうしても心理的にここにいれば災害に巻き込まれることはないという安堵感から避難をしなくなることがありますが、現実にはその被害想定を大きく超える災害が発生する可能性もゼロではありません。
ハザードマップを活用する際には、そのことを念頭において、ハザードマップで安全となっているから絶対に被災しないという考えを持たずに、臨機応変に対応することが重要になってきます。
以上、ハザードマップに潜む危険性と課題について、そもそもハザードマップとは何か、ハザードマップの課題、などについて見て来ました。ハザードマップを使用する際には留意点に気をつけながら活用する必要があります。

参照記事
ハザードマップとは?洪水や地震による被害エリアを推測するために

参考サイト▪︎内閣府「ハザードマップで災害リスクを知る」