防災学術連携体とは?専門分野の枠を超えた防災の調査・研究
防災に対する研究活動は多種多様な分野でされています。地震や津波などといった自然災害の分野をはじめとして、土木、建築、救急医療、環境衛生はもとより、経済、地理、歴史、情報、エネルギーなどの分野においても防災の研究活動が行われています。
これらの様々な分野における防災の研究はそれぞれが交流して、複合的な視点から防災の研究をしていく必要があります。
このような背景から2016年に「防災学術連携体」は設立されました。それ以来、防災学術連携体は専門分野の枠を超えた異なる分野との情報共有や交流を進めて学術連携を行なってきました。
今回はそんな防災学術連携体について、そもそも防災学術連携体とは何か、防災学術連携体の活動内容、などについて書いて行こうと思います。
防災学術連携体とは何か
そもそも防災学術連携体とは何かをひとことで言うと、防災に関わる様々な分野の学会が、日本学術会議を中心として集まって、学会の連携を進めて、緊急事態時に学会間の緊密な連絡がとれるようするための組織です。
防災学術連携体では平常時の段階から政府や自治体との連携を図り、防災に役立てるとともに、災害時に円滑に協力関係が結べるように備えています。幾つもの学会が連携することで多様な観点から防災を考えることができます。
(防災学術連携体とは:防災学術連携体HPより引用)
もともと防災学術連携体は東日本大震災を契機にできた「東日本大震災の総合対応に関する学協会連絡会」が発祥です。日本学術会議の土木工学・建築学委員会が幹事役となって設立されたこの連絡会では30学会による学際連携が行われました。
東日本大震災以降も今後発生が予測される南海トラフ地震や首都直下地震などにそれぞれの専門を超えた連携が必要であるとのことから学協会連絡会の後継組織として2016年1月に「防災学術連携体」が創設されました。
防災学術連携体の活動内容
このように防災学術連携体はそれぞれの専門の垣根を超えていくつもの学会が参加して防災に対する取り組みを行う組織ですが、その活動内容はいくつかあります。
まず防災学術連携体の活動内容の一つ目として、年1回のシンポジウム開催があります。毎年1回シンポジウムを開催することで、平常時における学会間の連携強化を図っています。
次に防災学術連携体の活動内容の二つ目として、防災関連の学術総合ポータルサイトの運営があります。平常時には学会の紹介などを行い、災害発生時にはその災害に関する各学会の情報をまとめて掲載することで情報発信をしています。
この他にも防災学術連携体では、災害緊急時に学会間の連携、政府・自治体との連携を図り情報発信を行なったり、防災推進国民会議や防災国民大会に参加したり、防災に関するさまざまな活動を行っています。
以上、防災学術連携体について、そもそも防災学術連携体とは何か、防災学術連携体の活動内容、などについて見てきました。防災学術連携体は専門性の異なる様々な学会が防災について考える場所として、今後も活躍に期待されています。
参考サイト▪︎防災学術連携体