全国地震動予測地図とは?地震の発生を予測した地図
いつ、どこで、どれくらいの大きさの地震が発生するのかを予測することは科学的にはできません。地震の前兆としてナマズが暴れたり、地震雲が出現したりと言うことは昔から言われていますが、どれも化学的に証明されてはいません。
しかし、地震が発生する可能性について、数十年以内など大まかな期間で予測することはある程度は可能になっています。当然外れることもありますが、東日本大震災も30年以内に99%の確率で、宮城県沖で地震が起きると予測されていました。
地震の発生を大まかに予測するためには、地震調査研究推進本部が発表している「全国地震動予測地図」があります。
今回はそんな全国地震動予測地図について、そもそも全国地震動予測地図とは何か、確率論的地震動予測地図とは何か、震源断層を特定した地震動予測地図とは何か、地震調査研究推進本部とは何か、などについて書いていこうと思います。
全国地震動予測地図とは何か
そもそも全国地震動予測地図とは何かをひとことで言うと、将来日本で発生する可能性のある地震について、日本地図上にその予測をまとめたものです。
地震について完璧に予測することは今の科学ではできませんが、大まかに数十年のスパンで地震が発生することを予測することは出来ます。
実際に東日本大震災についても、30年以内に99%の確率で、宮城県沖で地震が起きると全国地震動予測地図では予測されていました。
全国地震動予測地図は「確率論的地震動予測地図」と「震源断層を特定した地震動予測地図」の二種類があるので、それぞれについて見ていこうと思います。
確率論的地震動予測地図とは何か
まず確率論的地震動予測地図とは何かをひとことで言うと、そのままですが確率論的な手法によって作成された地震動予測地図になります。
確率論的地震動予測地図では、全ての地震に対して、その発生場所、発生可能性、規模を確率論的手法によって評価して、それらの地震が発生したときに生じる地震動の強さをバラツキも含めて評価することにより、一定の期間内に、ある地点が、ある大きさ以上の揺れに見舞われる確率を計算しています。
確率論的地震動予測地図には、いろいろな種類のものがありますが、代表的なものとしては、今後30年以内に各地点が震度6弱以上の揺れに見舞われる確率を地図として示したものがあります。
(確率論的地震動予測地図:地震調査研究推進本部HPより引用)
震源断層を特定した地震動予測地図とは何か
次に、震源断層を特定した地震動予測地図とは何かをひとことで言うと、ある特定の断層帯で発生する地震について、その地震が起きた時に断層周辺で生じる揺れの大きさを予測して地図にしたものです。
震源断層を特定した地震動予測地図は、断層破壊の物理モデルに基づき、複雑な地下構造を考慮した地震波動伝播のシミュレーションを実施することにより、断層近傍域で発生する強い揺れを精度良く予測することが可能となっています。
地震調査研究推進本部とは何か
このように、全国地震動予測地図は地震の発生について予測するものであり、確率論的地震動予測地図と震源断層を特定した地震動予測地図があるのですが、これは地震調査研究推進本部から公表されています。
地震の予測と言われると、どこか胡散臭いイメージを持つ人も多いかもしれませんが、地震調査研究推進本部は文部科学省に設置された政府の特別機関であり、多くの学識経験者によって構成されています。
阪神・淡路大震災の経験を活かし、地震に関する調査研究の成果を社会に伝え、政府として一元的に推進するために作られた組織であり、今後もその活躍が期待されています。
以上、全国地震動予測地図について、そもそも全国地震動予測地図とは何か、確率論的地震動予測地図とは何か、震源断層を特定した地震動予測地図とは何か、地震調査研究推進本部とは何か、などについて見てきました。
全国地震動予測地図は日本で今後どのような地震が発生するのか、おおよその目安をつけるために使える情報の一つであり、活用されています。
参考サイト▪︎地震本部「全国地震動予測地図」