梅雨や台風の時期に特に注意すべき防災ポイントについて

災害は年間を通していつどの災害が発生するのかを予測することはできませんが、特定の時期に集中する災害はあります。
例えば日本には四季があり、その中で梅雨の季節と台風がよく来る季節は大体決まっており、その時期には梅雨や台風で豪雨や強風が予測されます。
今回はそんな梅雨や台風の時期に特に注意すべき防災ポイントについて、内閣府が公表している「梅雨期及び台風期における防災態勢の強化について」という通知に基づいて書いていこうと思います。

梅雨期と台風期の防災①:危険箇所の巡視・点検の徹底

梅雨期と台風期には豪雨となることがありますが、豪雨に伴って河川の氾濫、崖崩れ、土砂災害などの災害が発生する可能性が高まります。
そのために、それらの災害が発生する可能性のある危険箇所の巡視・点検を図るとともに、地形、地質、土地利用状況、災害履歴などから今までは危険箇所と考えていなかった場所でも再度本当に危険がないのか点検をすることが重要です。

梅雨期と台風期の防災②:河川管理施設などの管理強化

河川管理施設などで施設の人員や配置計画、連絡態勢、操作規則などを確認するなど管理体制の強化を図ることが必要です。
また、台風が接近しているなどで災害が発生する恐れがある場合には、事前に施設の点検などを行うことが重要になります。

梅雨期と台風期の防災③:災害危険箇所の住民への周知

梅雨期や台風期には、浸水想定区域や土砂災害警戒区域などの住民に対してこの季節には災害が発生する可能性があることを周知する必要があります。
また、仮に災害が発生した場合には、どこの指定緊急避難場所に避難するのが良いのか、どのレベルまで災害が進んだらむやみに避難場所まで行かずに自宅で避難すべきなのか、などについて助言することも重要です。

参照記事
局地的大雨(局地的豪雨、ゲリラ豪雨)とは?その原因と対策

梅雨期と台風期の防災④:防災気象情報の収集および伝達

梅雨期と台風期に雨などによる災害の危険性が高まっていないのかを、気象庁から発表される注意報・警報・特別警報や、危険度分布図などの防災気象情報を通して的確に把握する必要があります。
また、入手した防災気象情報から必要に応じて住民へその情報を伝達していく体制についても考えておくことが重要です。

梅雨期と台風期の防災⑤:地下空間の浸水対策強化

梅雨や台風で大雨が降る場合には、地下空間が浸水してしまう可能性が高まります。そのために、地下空間を管理している機関に対して浸水の危険性について事前に周知を図り、浸水対策を行い、浸水が実際に発生してしまった場合には、迅速かつ的確な情報の伝達や利用者の避難のための措置を講じる必要があります。
特に道路のアンダーパスなどは冠水しやすいので、道路利用者への注意喚起や情報提供を適切に行うとともに、事前に標識、情報板、排水ポンプなどの施設を点検する必要があります。

参照記事
記録的短時間大雨情報とは?気象庁が発表する防災気象情報

梅雨期と台風期の防災⑥:水辺等利用者に対する情報提供

大雨になると河川が増水することがありますが、河川管理者と連携をして、河川の水辺利用者に対して情報を提供して安全な場所へと避難をするように注意を促すなどをする必要があります。

梅雨期と台風期の防災⑦:災害対策本部の機能維持

風水害で災害が発生すると災害対策本部に過度な負担がかかり機能不全に陥ることがあります。そのために平常時からBCPなどを策定し、非常時に優先して取り組まなければならない業務を絞り込んでおく必要があります。

梅雨期と台風期の防災⑧:非常用電源の確保

風水害が発生すると電気が止まることがありますが、災害対策本部が設置される庁舎においては災害時でも電源を確保できるように非常用電源を確保しておく必要があります。
地下倉庫などに非常用電源の機械を入れておくと浸水により機能しなくなることがあるので、浸水しない場所に非常用電源の機械を保管しておくことも重要です。
以上、梅雨や台風の時期に特に注意すべき防災ポイントについて見てきました。梅雨や台風の時期にはどうしても災害が集中するので、より一層防災に対する意識を強めておく必要があります。

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流域雨量指数とは?洪水警報の危険度分布を算出する指標

参考サイト▪︎内閣府「梅雨期及び台風期における防災態勢の強化について」