気象庁の気象観測データまとめ!防災に役立つデータ収集
自然災害への対策を考えるにあたって気象観測データの収集は重要です。そんな気象観測データを収集する機関として日本には気象庁があります。
気象庁の役割として、自然現象を監視・予測し、的確な気象情報を提供することによって自然災害の軽減に寄与することがあり、気象観測データの収集は気象庁のメイン業務の一つであると言えます。
今回はそんな気象庁の収集している気象観測データにはどのようなものがあり、それぞれの観測データはどのように活用されているのか、などについて書いていこうと思います。
目次
気象庁の気象観測データ①:アメダス
気象庁が収集している気象観測データとして、アメダスは誰もが一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。アメダスとはもともとAutomated Meteorological Data Acquisition Systemの頭文字をとったAMEDASのカタカナ読みであり、日本語では「地域気象観測システム」と呼ばれています。
その日本語名の通りアメダスは日本全国約1300か所にあり、地方気象台などにあるアメダス観測網では、気温、風向、風速、降水量、積雪量など気象の基本データが観測されています。
(アメダス:気象庁HPより引用)
この写真のように、一つの観測所に様々な観測計が置かれており、各種データを収集しています。観測されたデータについては気象庁のHPでも提供されております。
気象庁の気象観測データ②:気象レーダー
気象庁が行っている気象観測データには気象レーダーというものもあります。これは先ほどのアメダスよりも本格的に施設であり、日本全国の20基の気象レーダーがあります。
気象レーダーでは日本全国の雨雲の状況が観測されており、大雨による注意報や警報を出す元データとして活用されています。他にも高解像度降水ナウキャスト、雷ナウキャスト、竜巻発生硬度ナウキャストなど、気象レーダーは様々な観測データの元になっています。
気象庁の気象観測データ③:ウィンドプロファイラ
気象観測データを収集するためにウィンドプロファイラと呼ばれるレーダーもあります。これは地上から上空に向けて電波を発射し、大気中の風の乱れなどによって散乱され戻ってくる電波を受信・処理することで上空の風向・風速を測定するというものです。
日本全国に33か所の観測局があり、ウィンドプロファイラによって上空の風を計測することができます。
(ウィンドプロファイラ:気象庁HPより引用)
気象庁の気象観測データ④:GPSゾンデ
気象観測データを収集するもう少し高度なものとしてGPSゾンデがあります。GPSゾンデとは高度30kmまでを連続的に観測するものであり、直接上空の大気を観測する唯一の観測方法であると言われています。
観測方法としてはゴム気球を打ち上げて、地上のGPSゾンデ受信アンテナやGPS衛星を活用することで観測データを収集するというものです。
気象庁の気象観測データ⑤:静止気象衛星
気象庁が気象観測データを収集する手段として静止気象衛星があります。これはニュースでもよくやっているので有名かと思いますが、ひまわり8号やひまわり9号がこれに当たります。
ひまわり8号は平成26年に打ち上げられて、ひまわり9号は平成28年に打ち上げられましたが、静止気象衛星によって台風や集中豪雨などの防災情報をより精密に提供することができるようになりました。
気象庁以外の気象観測データ
気象観測データを提供する機関としては気象庁が最も代表的ですが、気象庁以外にも気象データの観測を行っているところはあります。その中の一つに地方公共団体が行っている気象データの観測があります。
ただし、誤った気象観測データを計測してしまうと社会的な混乱を招く恐れがあるので、使用している計器が検定に合格している必要があったり、気象台へ気象観測施設が届け出を行う必要があったりと、いくつかの基準が設けられています。
それらの自治体や道路局などで観測された気象データは気象庁で観測されたデータと同様に、防災対応をする上で重要な元データになります。
気象観測データの入手方法
今まで代表的な気象観測データについて見てきましたが、それらのデータは気象庁のHPから閲覧することができます。現在のリアルタイムの気象情報に加えて、過去の気象データもダウンロードすることができるので、興味がる方は気象庁のHPを閲覧することをお勧めします。
以上、気象庁の収集している気象観測データにはどのようなものがあり、それぞれの観測データはどのように活用されているのか、などについて見てきました。気象庁で観測している気象観測データは多様な形で防災に役立てることができます。
参考サイト▪︎気象庁「気象観測について」