災害派遣精神医療チーム(DPAT)とは?被災者のこころのケア

2018.05.24

大規模災害が発生した際には、被災地のみで災害対応や復旧・復興を行うことは困難であり、国や他の地方自治体からの支援を受ける必要があります。
医療の分野で言えば災害派遣医療チーム(DMAT)があり、被災地に専門的な訓練を受けた医師や看護師が派遣することで、負傷した被災者などに対して医療行為を行います。
しかし、被災地においては医療部隊のみならず、被災者の精神的なケアを行う部隊も必要になります。この役割を担うのが「災害派遣精神医療チーム(DPAT)」です。
今回はそんな災害派遣精神医療チーム(DPAT)について、そもそも災害派遣精神医療チーム(DPAT)とは何か、災害派遣精神医療チーム(DPAT)の活動内容、などについて書いて行こうと思います。

災害派遣精神医療チーム(DPAT)とは何か

そもそも災害派遣精神医療チームとは何かをひとことで言うと、大規模災害の際に被災地に派遣される精神医療を行う部隊のことです。
災害が発生すると被災地は目の前で家族が亡くなる瞬間を目撃したり、自分のまちが壊れていく瞬間を目撃したり、知らない人が津波に流されていく瞬間を目撃したりすることがあります。
この他にも当たり前ではありますが被災者は精神的に辛い思いをすることが多く、たとえ身体的な損傷がなくても、精神的には大きな損傷を追うことがあります。

災害派遣精神医療チームはそのような被災者に対して精神医療の専門家を派遣することで被災者のこころのケアを行います。精神疾患の人だけを対象にするのではなく、一般住民のこころのケアを行うことが特徴です。
ちなみに災害派遣精神医療チームはDPATと略式で言われることも多いのですが、これはDisaster Psychiatric Assistance Teamの頭文字を取ったものになります。
災害派遣精神医療チームは被災都道府県等からの派遣要請に基づき活動を行い、被災地での活動に当たっては、被災都道府県等の災害対策本部の指示に従うことが原則になっています。
チームは精神科医師、看護師、業務調整員によって構成され、被災地のニーズに合わせて、児童精神科医、薬剤師、保健師、精神保健福祉士や臨床心理技術者なども派遣されます。

参照記事
JMAT(日本医師会災害医療チーム)とは?日本医師会による災害派遣


災害派遣精神医療チーム(DPAT)の活動内容

このように災害派遣精神医療チームは被災地の住民に対して精神的なケアを行う上で重要な組織になるのですが、災害時の活動と平常時の活動の2つに大きく分けることができます。
まず、災害時の活動については、まず72時間以内に先遣隊が派遣されて、被災地における状況の把握につとめ、精神保健医療におけるどのようなニーズが被災地のどこにあるのかを調査します。
次に本隊が被災地に到着すると本格的な被災者に対する精神的なケアが始まるのですが、初期の段階ではもともと被災地に存在していた精神科医療機関が停止した場合には、入院患者の搬送を行います。場合によっては災害でその患者の症状が悪化することがあるのでその支援も行います。

その後、一般住民の中で災害によって大きなストレスを感じて精神的な問題が発生している被災者に対して、精神的な支援を行います。
平常時においては、厚生労働省が委託した災害時こころの情報支援センターの研修に職員を派遣して、災害時にスムーズに精神医療のケアができるように訓練を行います。
以上、災害派遣精神医療チーム(DPAT)について、そもそも災害派遣精神医療チーム(DPAT)とは何か、災害派遣精神医療チーム(DPAT)の活動内容、などについて見てきました。
災害が住民の精神に与えるダメージは大きいものであり、かつ身体的な損傷とは違って第三者からは分かりにくいので、災害派遣精神医療チーム(DPAT)の活躍には大きな期待が寄せられています。

参照記事
DMAT(災害派遣医療チーム)とは?災害時の医療について


参考サイト▪︎厚生労働省「災害派遣精神医療チーム(DPAT)活動要領」