災害食とは?災害時の食料で必要になる備蓄品を準備する
災害が発生して電気、ガス、水道が止まり、かつ道路も使えない状態になると流通網が麻痺して被災地に食料が届きにくくなることがあります。そんな時に必要最低限の日数は自力で食いつなぐために災害食が大切になってきます。
特にこれから発生が予測されている南海トラフ地震や首都直下地震など、ひとたび発生すれば多くの被災者が発生する大規模災害では、災害発生から数日分の食料を自分で準備しておくという考えが重要になってきます。
今回はそんな災害食について、そもそも災害食とは何か、災害食を準備するポイントは何か、近年注目されているローリングストック法とは何か、などについて書いていこうと思います。
災害食とは何か
そもそも災害食とは何かをひとことで言うと、読んで字のごとくですが災害時に食べる非常食のことです。災害によって家の水道、ガス、電気が全部止まってしまい、交通手段が断絶されてしまったために普段使っているコンビニやスーパーに行っても食料が売っていない中で、支援物資等が届くまでの数日間食いつなぐために準備しておく食料が災害食です。
災害食と言われると、乾パンやペットボトルに入った水を想像する人も多いかと思いますが、実際には後述しますが、災害発生からのフェーズに合わせていくつかのバリエーションの災害食を準備しておくことが理想とされています。
実際に過去の災害では、東日本大震災で被災者と復興支援者が被災地で生活したために、120万食/日が必要とされ、被災地の“食”に関するさまざまな問題が発生しました。
地方自治体やデパートやアミューズメント施設などでは、災害時に備えて災害食を準備することが義務付けられていたり、自主的に災害食を準備していたりするところも多くあります。
また、自分は被災地にならなくても東日本大震災の際にも東京で大量に発生した帰宅困難者を受け入れて食料を提供するために災害食を準備しているところもあります。
災害食を準備するポイント
災害食を選ぶポイントとしては、災害のフェーズに応じて準備することが重要になります。災害発生直後は電気、ガス、水道を使用することが難しく、かつ災害食に時間をかけている余裕もないことから、包装を開けすぐ食べられるものが望ましいとされています。
そして、被災から1週間前後であれば電気が復旧している可能性も高まるので、もしかしたら電気炊飯器でご飯を炊くこともできるかもしれません、レトルト食品や缶詰類など簡単に食べられるものが1週間分くらいあれば大いに役立つでしょう。
少し前までは「災害食=保存は効くけど美味しくはないもの」という認識が強かったかもしれませんが、最近では食品メーカー各社も美味しい災害食を開発しています。災害時はただでさえ精神的に疲れるので、自分の好物を災害食として準備しておき、復興へのエネルギー源として食べるのも重要です。
また、従来の災害食は高齢者にとって食べにくく、なかなか飲み込むことができないという指摘もありました。高齢化の進んでいる日本にとってこの問題は深刻であり、災害弱者を食の観点から支援するためにも、比較的に美味しくて栄養のある災害食の開発が進められています。
ローリングストック法とは何か
このように災害食は少し前と比べるとかなり開発が進んでいるのですが、一方でローリングストック法という考え方も広がっています。ローリングストック法とはひとことで言うと、普段食べる食料を少し多めにストックしておいて、いざ災害が発生した時にはその少し多めにストックしておいた分を食べるというものです。
これは食料に限らず、災害時に必要になるウェットティッシュ、ホッカイロ、乾電池などの備品についても言えるのですが、普段生活で必要になるより少し多めに備品を買ってそれを普段の生活から使用しておくことで、どこかのタイミングで災害食を大量に廃棄したりすることがなくなります。
以上、災害食について、そもそも災害食とは何か、災害食を準備するポイントは何か、近年注目されているローリングストック法とは何か、などについて見てきました。
災害を乗り越えるためにはエネルギーが必要になりますが、そのエネルギーは食べ物から供給されます。そのためにも災害食を事前にしっかりと準備しておくことが重要になってくるのです。
参考サイト▪︎日本災害食学会