被災者生活再建支援法とはどのような制度なのか

2017.12.31

被災した住民には家財が水浸しになって駄目になってしまった人や、そもそも家が壊れてしまって、とてもではないがもう住むことができなくなってしまう人がどうしても存在してしまいます。
中には住宅ローンを出して家を買ったばかりなのにそれが災害ですぐに壊れてしまったという不運な方もいらっしゃるかと思います。そんな災害によって経済的に損失を負った人を支援するための法律として「被災者生活再建支援法」というものがあります。
今回はこの被災者生活再建支援法について、そもそも被災者生活再建支援法とはどんな法律なのか、どのような経緯から被災者生活再建支援法は生まれたのか、などについて書いていこうと思います。

被災者生活再建支援法とは何か

被災者生活再建支援法をひとことで言うと、被災して住宅が壊れてしまった住民のために資金的な援助を行う法律です。内閣府のHPに記載されている説明では“自然災害によりその生活基盤に著しい被害を受けた者に対し、都道府県が相互扶助の他観点から拠出した基金を活用して被災者生活政権支援金を交付すること”とされています。
被災したらどんな内容であってももらえるというわけではなくて、例外もありますが基本的には10世帯以上の住宅全壊被害が発生した市町村が対象になります。支給金額は「家がどれくらい壊れたか」と「これから家をどうするのか」によって変わってきます。

具体的に「家がどれくらい壊れたか」では、家が全壊した場合には100万円、大規模半壊した場合には50万円です。自分の家が全壊なのか、大規模半壊なのか、それ以外なのかは実際に行政に検査してもらい、罹災証明書という形で確認できます。
「これから家をどうするのか」については、新しく建設・購入する場合には200万円、補修する場合には100万円、賃貸する場合には50万円が、先ほどの「家がどれくらい壊れたか」の金額にプラスされます。
このように被災者生活再建支援法は被災して経済的な損失を負った住民を限られた範囲の金額ではありますが支援する、被災者支援の上で重要な法律になります。

参照記事
被災者を支援するために行政が行うことのまとめ

被災者生活再建支援制度が作られた背景

被災者生活再建支援法が生まれたきっかけは阪神・淡路大震災でした。阪神・淡路大震災の被災者の中には震災後の生活を再建することが難しい住民が多く存在しました。
日本全国から義援金が集まったものの、それを分配するとなっても金額には限界があり、生活をやり直すには十分な金額とはとても言えませんでした。その経緯から、被災者を支援するために必要最低限の資金的な援助をする必要があると考えられるようになり、被災者生活再建支援制度は生まれました。
被災者生活再建支援制度ができたばかりのころは、資金の使い道が限られていたり、所得による制限があったりしたのですが、その後何度かの改正を経て現在の被災者生活再建支援制度が出来上がりました。

参照記事
被災者支援総合交付金とは?その概要と目的について


被災者生活再建支援金が給付されるまでの流れ

被災者生活再建支援金が給付されるまでにはいくつかのステップを踏みます。まず被災した都道府県が被災者生活再建支援法を適用することを認めたら、それを国に報告します。
市町村は被災者に対して罹災証明書を交付して、被災者は支給金支給の申請を行います。そして市町村がそれを支援法人に送付すると、支援法人から被災者へと支援金が支給されます。

(支援金支給までの手続き:内閣府HPより引用)
このように被災者生活再建支援金はあくまで都道府県や市町村がその財源から支給をするわけではなくて、国が支給を行うということが大きな特徴になっています。
以上、被災者生活再建支援法について詳しく見てきました。被災者生活再建支援法は被災者を金銭的に支援する重要な法律になっています。今後発生が予想される南海トラフ地震や首都直下地震の際には果たして被災者の全世帯に交付するだけの財源があるのか等が議論になることもありますが、被災者支援の要の一つとして今後もその役割が期待されています。

参考サイト▪︎内閣府「被災者生活再建支援法」