被災者を支援するために行政が行うことのまとめ

災害が発生した直後に行政がしなければならないこととして真っ先に挙げられるのが被災者の支援です。犠牲者を最大限まで抑えると同時に、被災者の避難生活での苦痛を少しでも和らげることが求められます。
そんな行政による被災者支援ですが、避難所等での生活支援や仮設住宅の支援など、被災した人が一般生活に戻るための重要なつなぎの部分になります。
今回は被災者を支援するために行政が行うことについて、ざっくりとどんなことを行政は行わなければならないのかについて時系列に沿ってその概要を書いていこうと思います。

警報して住民を避難させる

災害が発生しそうであるとわかったらまず行政がやらなければならない事として、警報を出して住民を避難させることがあります。地震などといった災害発生の予測が直前になるまで分からないものは限界がありますが、台風や洪水など災害の発生が事前にある程度予測できるものについては警報を出す必要があります。
特に高齢者や障害者等の避難に時間がかかる住民については早めの警報が重要になります。警報を出して住民を無事に避難させることがまず真っ先に行うことであると言えます。

避難で孤立した住民を助ける

例えば洪水が来るとなって標高が高いところに住民が避難したとしても、全員が指定された避難場所に来るわけではありません。中にはとりあえず近隣の高い建物や山などに避難する人達もいます。
そんな避難で孤立してしまった人たちを孤立状態から解決することが次に求められます。実際に東日本大震災では多くの人が山に避難して、孤立している人の中には体調を崩した人も多くいたと言われています。

参照記事
被災者台帳とは?被災者支援を効率的に行うためのシステム

避難生活の開設・運営支援を行う

避難して災害を乗り越えた直後の生活を支援することが次に求められます。被災した住民の中には避難所に避難した人もいれば、自宅に避難をしている人もいるなど、どこで避難生活をしているのかは様々な種類があります。
どの避難者も衣食住の生きていく上で必要な物資や、場合によっては医療部品も必要になってきます。また、被災者の中には高齢者や障害者などの要配慮者もおり、避難所での運営には気をつける必要があります。

被災者の生活再建を支援する

被災して家を失った人などには仮設住宅や借り上げの仮設住宅等を支援する必要があります。その他に行政がやらなければならないこととして、被災した人が日常生活に戻るための手続きなどを行う必要があります。
被災者支援をするにあたって被災者台帳を作成して被災者の管理をしたり、罹災証明書を発行して被災者が次の生活に進むための支援的な準備をしたりする必要があります。
以上、被災者を支援するために行政が行うことの大まかな概要について見てきました。災害毎に被害の状態も違うので、被災者支援はこれを行えばよいという正解が明確に存在するわけではありません。
しかし、事前に被災した時にどのように住民を支援するのかイメージできており、過去の災害を教訓に最善と思える手を考えておくことは重要です。身体的にも心理的にも傷ついている被災者を支援することは行政の大きな役割の一つと言えます。

参照記事
防災・災害対応に関する各種ガイドライン・手引きを一挙ご紹介!

参考サイト▪︎内閣府「被災者生活支援」