災害時SNS情報分析システム(DISAANA)がすごい
災害が発生した際に、被災地の状況をいち早く把握することは極めて重要です。しかし、本当に被害が大変なところの状況についてはなかなか情報が集まらずに、被災地の状況を適切に判断することができないと言われています。
この問題を解決するために、TwitterなどのSNSを災害状況の把握に活かすことができないかという議題が前々から上がっていました。TwitterなどのSNSは自治体が住民に情報発信をする立場でも有効ですし、逆に住民のつぶやきから情報収集する上でも有効です。
このような状況を受けて、内閣府では「災害対応におけるSNS活用ガイドブック」を公表しており、災害対応にSNSをどう活用すれば良いのかを公表しています。
TwitterなどのSNSを災害対応に活用することは、即時性や臨場感を把握する上では有効であり、場合によっては発災前に災害の予兆を検知できて、避難勧告や避難指示の対応をすることができるかもしれません。
しかし、一方でSNSにはデマや誤報が多く含まれていることも多く、不要な情報も多く含まれているのでどれが重要な情報なのか把握できなかったりするので、災害時にSNSを活用することは実務的ではないという意見も存在しています。
このような問題を解決して、災害時にTwitterの情報分析を手軽に行うことができるツールとして、「災害時SNS情報分析システム(DISAANA)」が存在しています。
災害時SNS情報分析システム(DISAANA)は先ほどの内閣府のガイドラインでも推薦されており、私が個人的に見ていても「すごいな」と思うサービスでした。
SNS情報分析システム(DISAANA)について
SNS情報分析システム(DISAANA)について説明するには、まずはなにはともあれサイトを見てみるのが良いかと思います。
SNS情報分析システム(DISAANA)で出来ることをひとことで言うと、災害時におけるTwitterのつぶやきを分析し、災害に特化した形で分かりやすくかつ正確にまとまった情報を見ることができます。
SNS情報分析システム(DISAANA)の使用方法は「質問応答モード」と「エリア指定モード」の2通りあります。
質問応答モードでは「宮城県で不足しているものは何?」や「千葉県の石油コンビナートで何が発生していますか?」など災害に関して知りたい質問を感覚的に入力すると、それに関連したTwitterのつぶやきをまとめて表示してくれます。
エリア指定モードでは「宮城県石巻市」などのように災害の状況を調べたいエリアを入力すると、その場所で現在発生している災害や被害の状況に関するつぶやきを整理した上で表示してくれます。
さらにSNS情報分析システム(DISAANA)では、デマ情報を排除するために、矛盾している情報については自動的に検索されてデマだと分かる機能や、スパムのつぶやきをフィルターにかけるなどの機能もついています。
このシステムは東日本大震災が発生した際にSNS上に膨大な災害関連情報がデマや正確な情報が入り混じった形で表示され、有効活用することができなかった教訓から、なんとかこの問題を解決しようという思いで作られました。
実際に使用して見るのが一番であり、誰でもログインなど面倒なプロセスを経ずに使用することができるので、まずは使って見るのが良いかと思います。
DISAANAは、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)耐災害ICT研究センター及びユニバーサルコミュニケーション研究所が開発したものですが、個人的な感想としましては、このシステムを構想として持った方々もすごいですし、実際にシステムとして実現させたエンジニアの方々もすごいなと感服いたしました。
実際に熊本地震や阿蘇山の爆発的な噴火についてもこのツールは活用されており、情報収集・分析能力や使い勝手の点からも有効性が確認されています。
以上、災害時のTwitterなどSNSを有効に活用させるためのツールとして災害時SNS情報分析システム(DISAANA)を見てきました。被災地における災害情報の収集をより効果的にするものとして、大きな期待が寄せられています。
参考サイト▪︎DISAANA(ディサーナ)とは