地震調査研究推進本部(地震本部)とは?地震に関する調査機関
日本は地震大国であり、過去にも阪神・淡路大震災、東日本大震災、熊本地震など大きな地震が何度も発生しています。その度に人的にも経済的にも大きな被害が出ており、地震の被害を軽減させるための対策を行うことは日本で生活して行くには必要不可欠です。
そんな日本には防災関連機関が数多くありますが「地震調査研究推進本部(地震本部)」もその中の一つです。今回はそんな地震調査研究推進本部について、そもそも地震調査研究推進本部(地震本部)とは何か、地震の揺れの事前予測、揺れの即時予測、地震動予測地図の注意点、などについて書いていこうと思います。
地震調査研究推進本部(地震本部)とは何か
そもそも地震調査研究推進本部とは何かをひとことで言うと、政府全体の地震に関する調査観測や研究の方針を立てて関係機関と取り組みを進めると同時に、地震発生の可能性など地震活動についての評価を行う機関です。
1995年の阪神・淡路大震災をきっかけに地震調査研究推進本部は設置されて、省略して地震本部と呼ばれることも多いです。
地震は予知をすることは困難ですが、地震の規模や一定期間内に地震が発生する確率を予測することは可能です。地震調査研究推進本部はその地震の揺れの事前予測と、地震の揺れの即時予測が行われています。
地震の揺れの事前予測
地震調査研究推進本部で行われている研究の一つが地震の揺れの事前予測です。規模が大きい地震は長い目でみれば地下の同じ場所で繰り返し起きている傾向があります。
そのためにプレートの境界や特定の活断層について、大地震が起きた感覚と全開の発生時期が分かれば、次に同様の地震が起こる時期をある程度予測することができます。
地震の揺れの事前予測はその中でも長期評価と全国地震動予測地図の2つに分けられます。「長期評価」では活断層で発生する地震と海溝型地震について、過去の地震や現在の地震活動の調査観測などから、地震が発生する確率を予測しています。
(ガレキに埋もれた役場の看板:災害写真データベースより画像引用)
「全国地震動予測地図」では特定の地震が起きた時に周辺での揺れの強さを示す地図と、今後の一定の期間に強い揺れに見舞われる確率を示した地図を公開しています。
地震の事前予測をするにあたって地震調査研究推進本部では、野外での地形地質調査、ボーリング調査などから地形や地質の変動の様子がわかったり、津波により運ばれて堆積した地層からその年代を調べたり、などが行われています。
また、海溝型地震についても海底の地殻変動観測により固着の強い場所が分かれば、どこで地震が起きるのか見当をつけることができます。
揺れの即時予測
現在、日本の陸地には満遍なく地震計が配置されており、日本の自信活動を24時間体制で見守っています。地震計から得られるデータは、地震の発生メカニズムを科学的に解明することにつながります。
それらの設備は緊急地震速報や津波警報に活用されています。緊急地震速報は地震によって発生するP波とS波を使って、先に届くP波によって地震の発生を即時予測します。
津波警報は海溝型地震のより近い場所にある海底に、リアルタイム観測を行う地震計と津波計の整備を行っています。
(気仙沼市内の津波被害の痕跡:災害写真データベースより画像引用)
地震動予測地図の注意点
地震動予測地図を活用する際には、発生確率が低いからといって油断することは禁物です。地震動予測地図は最新の知見に基づいて作成されてはいるものの、使用できるデータに限界があるために不確実さが含まれています。
過去の地震の調査では遡れる年数に限界がありますし、活断層調査が行われていない地域も日本国内には存在しているためです。
そのために地震動予測地図には不確実さも残されており、あくまで“予測”であることを忘れてはいけません。
以上、地震調査研究推進本部について、そもそも地震調査研究推進本部(地震本部)とは何か、地震の揺れの事前予測、揺れの即時予測、地震動予測地図の注意点、などについて見てきました。
地震調査研究推進本部は日本の地震研究において重要な業務を担っており、今後の活躍にも期待されています。
参考サイト▪︎地震調査研究推進本部