局地的大雨(局地的豪雨、ゲリラ豪雨)とは?その原因と対策

数十分程度の短時間に、急に大降りの強い雨が降ることがあります。急に大降りの雨が降るので傘がない人がびしょ濡れになったりしますが、びしょ濡れになるだけならばまだマシで、時にはこれが大きな災害をもたらすこともあります。
今回はそんな局地的大雨(局地的豪雨、ゲリラ豪雨)について、そもそも局地的大雨とは何か、局地的大雨の原因、局地的大雨の対策、などについて書いていこうと思います。

局地的大雨(局地的豪雨、ゲリラ豪雨)とは何か

そもそも局地的大雨とは何かをひとことで言うと、数十分程度の短時間に、限られたエリアで大量の雨が降る現象です。短時間に数十mmの雨が降るので、河川や水路が短時間で一気に増水するなどして災害が発生することがあります。
河川の急な増水によって堤防から水が溢れ出たり、雨水の処理能力が追いつかずに冠水したり、土砂崩れが発生したりと、水害および土砂災害が局地的大雨によってもたらされることがあります。
局地的大雨にはいくつか呼び方があり、気象庁では「局地的大雨」という言葉が使われますが、局地的豪雨やゲリラ豪雨などの名前で呼ばれることもあります。
このように局地的大雨は、短時間に一気に雨が降るという通常ではなかなか発生せず、想定していない雨の降り方をするために、災害が発生する危険性も高くなるのです。

参照記事
記録的短時間大雨情報とは?気象庁が発表する防災気象情報

局地的大雨(局地的豪雨、ゲリラ豪雨)の原因

局地的大雨がそもそも発生する原因について見て行こうと思います。そもそも雲は空気が上昇気流によって上空に押し上げられて発生します。上昇気流が強まりこの雲が成長を続けると、積乱雲となり雨が降ります。
そして、この積乱雲がさらに発達を続けると、狭い範囲に短時間で強い雨を降らせ、これが局地的大雨となります。

(局地的大雨:気象庁HPより引用)
このように積乱雲が急速に発達することによって局地的大雨は発生するのですが、一般的に梅雨の終わり頃で前線が停滞しているときや、台風が接近している時など、待機の不安定な状態が続いている際に局地的大雨は発生することが多いです。
通常の雨であれば積乱雲を観測することで予測できることが多いのですが、局地的大雨のようにその場で急速に発生・発達する積乱雲は、発生から雨が降るまでの時間が短いので、事前に予測することが難しいと言われています。

局地的大雨(局地的豪雨、ゲリラ豪雨)の対策

局地的大雨への対策として気象庁が発表している「記録的短時間大雨情報」を参考にすることがまずできます。この記録的短時間大雨情報は、数年に一度しか発生しないような短時間の大雨を観測または解析した際に各地の気象台から発表されます。
記録的短時間大雨情報が発表された場合には、この地域ではめったに降らないくらいの雨が今降っているのだと住民は認識することができます。
そしてその局地的大雨によって災害が発生する可能性を調べる場合には、土砂災害の場合には土砂災害警戒判定メッシュ情報、内水氾濫の場合には大雨情報(浸水害)の危険度分布図、外水氾濫の場合には洪水情報の危険度分布、をチェックすることで局地的大雨によって災害が発生する可能性があるのかを見ることができます。

(記録的短時間大雨情報:気象庁HPより引用)
以上、局地的大雨(局地的豪雨、ゲリラ豪雨)について、そもそも局地的大雨とは何か、局地的大雨の原因、局地的大雨の対策、などについて見てきました。
局地的大雨は数年に一度などの割合でしか降らないケースが多いので、それに伴って水害や土砂災害が発生することがあります。事前に防災対策をしておくことで、少しでも被害を抑制することが推奨されています。

参照記事
風水害とは?大雨や台風によりもたらされる災害について

参考サイト▪︎気象庁「降水」