都市型水害とは?そのメカニズム及び特徴と対策について

2018.05.05

災害は地理的な要因によって発生しますが、大都市には大都市特有の災害がいくつかあります。その中の一つに「都市型水害」と呼ばれるものがあり、都市のもつ地理的な条件から水害が発生します。
一般的に都市はアスファルトやコンクリートで舗装されており、水を吸収しにくい構造をしているので、それに伴って水害が発生することがあります。
今回はそんな都市型水害について、そもそも都市型水害とは何か、都市型水害の対策、過去の都市型水害の事例、などについて書いて行こうと思います。

都市型水害とは何か

そもそも都市型水害とは何かをひとことで言うと、大都市に発生する都市特有の水害のことです。日本では東京、大阪、福岡などの大都市で過去に発生したことがあります。
なぜ都市型水害が発生するのかについてはいくつかの要因があります。最初に挙げられるのが都市部では地表がコンクリートやアスファルトで覆われているために保水・遊水機能が低下していることです。
都市部では地表がコンクリートやアスファルトで舗装されているために、下水道や雨水菅で雨水を排出します。しかし、短時間で大量の雨が降るなどによってこの水処理能力を超える水が流入した場合には水が溢れて水害が発生することがあるのです。

また、いろんな意見がありますが、ヒートアイランド現象や地球温暖化などが原因で集中豪雨や異常気象が発生しているとの意見もあり、都市型水害が発生するもともとの要因である雨そのものの異常現象の増加が都市型水害の発生につながっているという意見もあります。
このように都市型水害はコンクリート化された都市において雨水が行き場を失って発生するのですが、地下街や地下鉄などの標高が低いところはもとより、たとえ標高が低い場所ではなくても、窪地などであれば一気に水が溢れかえり、内水氾濫が発生することがあります。
特に注意すべき危険箇所としては、道路のアンダーパスや車道トンネルといった道路が何かをくぐるような形で低くなっている場所に車が突っ込むと車そのものが水没することがあります。
また、地下室などの水が集まりやすそうでかつ密度が狭いエリアでは、都市型水害による内水氾濫によって部屋が水につかってしまうことも考えられます。

参照記事
海抜ゼロメートル地帯とは?日本の三大湾と水害対策

都市型水害の対策

都市型水害の対策としては大きくハード対策とソフト対策に分けることができます。

都市型水害のハード対策

都市型水害のハード対策としては下水管や雨水感を増強するなどで雨水処理能力を高めることがまずあげられます。この他にも、公園や駐車場などに雨水貯留施設を設置して雨が強い日には一時的に雨水を貯めたり、同様の理由から防災貯水池や遊水池を整備したりなどが考えられます。
アスファルトの舗装にも水がある程度土の中に染み込むような浸水性のあるアスファルトも存在するので、浸透性の高いアスファルトで舗装するというのもハード対策の一つとして考えられます。

参照記事
表面雨量指数とは?大雨警報(浸水害)の危険度分布の元になる指標

都市型水害のソフト対策

都市型水害のソフト対策としては、浸水予想区域図や洪水ハザードマップなど作成されたものをしっかりと読み込み危険箇所を把握しておくことがあげられます。
この他にも気象庁が発表する降水ナウキャストから現在の雨がどれくらいの強さで都市型水害が発生する可能性はあるのかを確認したり、仮に都市型水害が発生した場合の避難場所を事前に確認しておいたり、事前に情報を仕入れておくことが重要です。
また、都市型洪水が発生した際にはできる限り外出を控えることが良いです。水が浸水していると溝の場所が分からずにそこに足を突っ込んでしまったり、マンホールの蓋が浮上して歩いている最中に落ちてしまったりする可能性もあるので、避難時などでどうしても外出しなければならない時は用心して歩き必要があります。

過去の都市型水害の事例

過去に都市型水害が発生した事例としては、2008年の神戸市での水難事故や、2005年の東京都中野区・杉並区での浸水被害、1991年の愛知県での水害などがあり、他にも都市型水害は多く発生しています。
以上、都市型水害について、そもそも都市型水害とは何か、都市型水害の対策、過去の都市型水害の事例、などについて見てきました。都市型水害は大都市特有のものであり、被害を防ぐためには防災対策をしておく必要があります。

参照記事
水害からの防災対策を行う上での基本的な考え方

参考サイト▪︎国土交通省「都市型水害対策」