災害関連死とは?その定義と原因などについて
大規模災害が発生した場合には悲しいことですが多くの方が亡くなってしまいます。例えば地震が発生して建物の下敷きになってしまったり、洪水に流されて窒息してしまったりなどいろいろな原因があります。
しかし、災害によって直接人が亡くなるのではなくて、その災害に関連して災害が発生してしばらくしてから亡くなられる方も多くいます。そんな災害に関連して人が亡くなられることを「災害関連死」と呼びます。
今回はその災害関連死について、そもそも災害関連死とは何なのか、災害関連死の原因としてどのようなものがあるのか、などについて書いていこうと思います。
災害関連死とは何か
災害関連死とはひとことで言うと、災害で直接的に亡くなったわけではなくて、避難所に向かう際や、避難してしばらくしてから亡くなられることを言います。災害によって直接的に亡くなられるわけではないので、その定義がどうしてもあやふやになってしまいます。
災害との因果関係があれば災害関連死と言えるのですが、実際には災害弔慰金の支給対象になるかどうかで定義をすることが多いです。このように災害関連死には判定基準がないので、認定基準はそれぞれの自治体が独自に判断しています。
新潟県中越地震で長岡市が行った基準では、災害発生から1か月以内に亡くなられたのかどうかを災害関連死の目安にしています。
過去の災害では、阪神・淡路大震災で1,000人近くの災害関連死が発生しており、東日本大震災では3,500人近くの災害関連死が発生しています。このように災害関連死は決してごく一部の被災者にのみ発生している訳ではなく、多くの被災者に発生しています。
災害関連死の原因について
復興庁が発表した「東日本大震災における震災関連死に関する報告」によると、避難所等における肉体・精神的疲労が多く、避難所での生活をできる限り改善していき、被災者が何か健康面で問題を抱えていないのかヒアリングを積極的にかけていくことなどが重要になってきます。
他の原因として避難所等への移動中の肉体・精神的疲労や、病院の機能停止による既往症の増悪、地震・津波のストレスによる肉体・精神的負担などがあげられます。
以上、災害関連死についてその定義と原因などについて見てきました。災害関連死は事前に防災計画による対策をしっかりと準備することで、その被害の拡大を抑制することができる可能性もあるので、行政は地域防災計画や防災マニュアルの中で災害関連死を抑制するにはどうすれば良いのかを考慮する必要があります。
参考サイト▪︎復興庁「東日本大震災における震災関連死に関する報告」