Lアラートとは?災害時に迅速に情報を伝達する仕組み

災害から住民を守るためには、正確な情報を迅速に伝えることが重要になってきます。情報を「正確」かつ「迅速」に伝えると言うことは簡単なことではありあませんが、少しでも災害によるダメージを軽減させるためには重要なことです。
そんな問題を解決するための一つの方法として、「Lアラート」というシステムが注目されています。今回はそんなLアラートについて、そもそもLアラートとは何か、LアラートとJアラートの違いは何か、Lアラートのメリットは何か、などについて書いていこうと思います。

Lアラートとは何か

そもそもLアラートとは何かをひとことで言うと、地方公共団体などから発信される災害に関する情報を効率的に住民に共有するための情報基盤のことです。Lアラートとは災害情報共有システムの通称であり、LアラートのLはLocal(地域)であり、地域の災害に関する緊急情報を発信するという意味を持っています。
災害時には避難情報、避難所情報、災害対策本部設置状況、被害情報、気象警報や注意報、土砂災害警戒情報、洪水予報など様々な情報が発信されますが、Lアラートではこれらの情報を効率的には各メディアと共有することができます。
メディアはテレビやラジオといった旧来から存在している情報伝達者はもちろんのこと、インターネット事業者やデジタルサイネージの事業者などあらゆる媒体にへと共有されます。

事業主体は財団法人マルチメディア振興センターであり、2009年から実用化試験を開始し、2011年から実用サービスを開始しました。
災害情報はできるだけ早く住民に伝える必要がありますが、もともと災害対応を行っている地方公共団体やインフラ関連事業者からの情報は特定の媒体にしか発信されず、正確な情報を多方面から迅速に伝達することができていないという問題がありました。
Lアラートはこの問題を解決するために、各方面から発信される災害情報を収集し、情報提供のためのデータ変換や出力を一括して行うことで、幅広いメディアへ迅速に情報提供をすることを可能にしています。

参照記事
災害対応におけるSNS活用!Twitterによる情報発信と情報収集

LアラートとJアラートの違いは何か

北朝鮮がミサイルを発射した際には「Jアラート」というシステムが注目されましたが、名前は似ているもののこれはLアラートとは異なります。
Jアラートは非常事態に“国(Japan)”から国民に対して発信される情報ですが、Lアラートは非常事態に“地方公共団体(Local)”などから国民に対して発信される情報になります。情報発信の主体が国か地方かによる違いと言えます。

Lアラートのメリット

Lアラートを使う情報発信者側のメリットとしては、Lアラートに情報を打ち込むことで一気に多様なメディアに情報を発信することができ、あらゆるメディアから住民に災害情報を提供できるというメリットがあります。
Lアラートを使う情報伝達者側(放送事業者側)のメリットとしては、より広い災害情報を迅速かつ正確に取得することができ、データフォーマットも指定されているので、簡単に情報発信ができるというメリットがあります。

Lアラートを使う住民側のメリットとしては、テレビやラジオのみならず、スマホ、インターネット情報サイト、デジタルサイネージなどあらゆる媒体から災害情報を入手することができるというメリットがあります。
以上、そもそもLアラートとは何か、LアラートとJアラートの違いは何か、Lアラートのメリットは何か、などについて見てきました。Lアラートは災害情報を迅速かつ正確に伝えるための基盤になり得るものであり、その効果には期待が寄せられています。

参照記事
災害現場へのLINE活用!SNSを防災に活かす新しい形

参考サイト▪︎総務省「Lアラート(災害情報共有システム)の普及促進」