防災基本計画とは?その概要と修正の流れについて

2017.12.08

災害による被害を少なくするための対策として、防災計画を立てることは極めて重要です。地方自治体や指定公共機関など多くの組織が防災計画を作成していますが、そんな防災計画の最上位に位置しているのが「防災基本計画」です。
防災基本計画は日本の防災計画の基本方針を示しており、この防災計画が元になってあらゆる防災計画が作られていきます。今回はそんな防災基本計画について、そもそも防災基本計画とは何か、制定されてからどんな修正がされてきたのか、などについて書いていこうと思います。

防災基本計画とは何か

防災基本計画とはひとことで言うと、内閣府の中央防災会議が作成する防災計画で、防災業務計画(指定公共機関の防災計画)や地域防災計画(地方自治体の防災計画)の基本となるものです。
災害が発生した際に備えた防災計画をJRやNTT等の公共性の高い会社=指定公共機関は作成することが定められているのですが、防災基本計画はその基になっています。また、都道府県や市町村についても同様に防災計画を作成することが定められていますが、これについても防災基本計画が基になっています。
地震、津波、風水害など自然災害の種類や、海上災害や原子力災害など事故災害の種類に応じて、災害予防、災害応急対策、災害復旧・復興の各フェーズについて何をしなければならないかが書かれています。防災基本計画の文章は内閣府のHPでダウンロードできます。

参照記事
地域防災計画とは?定期的に見直される防災のガイドライン

防災基本計画の構成

防災基本計画は修正を何度も繰り返して現在の形になっているのですが、平成26年1月の修正で大幅にその構成が変更されて、現在は大きく2編に分かれています。
第1編は「総則」であり、これは防災基本計画の目的や推進など全般に関することが書かれています。また第5章では「防災業務計画及び地域防災計画において重点を置くべき事項」という項目があり、2ページくらいで東日本大震災や熊本地震を経て重視すべき点がまとめられています。
第2編は「各災害に共通する対策編」であり、各自然災害や事故災害について対処方法が書かれています。
防災基本計画は全部で300ページほどあり、役所の文章なので読解するのも大変です。しかし、防災基本計画は冒頭でも述べたように全ての防災計画の最上位に当たるものです。
なので、たとえ読解するのが大変であったとしても、自分が気になる部分だけ目次から選んで部分的に見て参考にすると良いです。(間違っても始めから最後まで全部読もうとはしない方が良いです。途中で心が折れかねないので。)

参照記事
国土強靭化と国土強靭化基本計画とは何か?強くてしなやかな日本

防災基本計画の修正について

防災基本計画が始めに作られたのは昭和38年でした。昭和34年に発生した伊勢湾台風をもとに災害対策基本法が作られたのが背景にはあります。信じられないかもしれませんが、このころの防災基本計画は13ページしかありませんでした。現在の防災基本計画が300ページを超えていることから、これまでにどれだけ修正が入っているかがわかります。
防災基本計画は修正を何度も繰り返して改善されているのですが、基本的に何か大きな災害が発生したら、その際に得た教訓をもとに防災計画が改善されていきます。最初の大きな修正は平成7年でした。これは平成7年に発生した阪神淡路大震災が背景にはあり、自然災害ごとに編が構成されるようになり、ページ数も一気に100ページを超えました。
そのあとも平成9年のナホトカ号流出事故、平成11年の東海村ウラン加工施設臨界事故など数々の不幸な事故を背景に修正を重ねてきました。特に平成23年に発生した東日本大震災以降は、防災基本計画の修正の頻度も増えており、ここ3〜4年は毎年2回修正されています。
防災基本計画が修正されるのは元の防災計画に足りない部分が見つかったからその欠点を補うために修正されていきます。そのために防災基本計画に紐付いている防災業務計画や地域防災計画も修正を加えていかなければいけないのですが、小さい市町村など予算が限られている自治体によっては十分な改善がされていないという問題も存在しています。
以上、これまで述べてきたように、防災基本計画は日本の防災計画の最上位に位置するものであり、あらゆる防災計画の指針となっています。より良い防災計画を策定するにあたって防災基本計画は大いに役に立ちます。

参考サイト▪︎内閣府「防災基本計画」