東京都の地震に関する地域危険度測定調査結果について
東京都には条例で東京都震災対策条例(昔は震災予防条例)と呼ばれるものがあります。この条例では東京都内のエリアを細かく細分化して、それぞれのエリアで地震での建物倒壊危険度(建物倒壊の危険性)、火災危険度(火災の発生による延焼の危険性)、総合危険度(上記2指標に災害時活動困難度を加味して総合化したもの)の3つの危険度について5段階(ランク)で評価したデータを公表することになっています。
地震に関する地域危険度測定調査とは何か
東京都が行っている地震に関する地域危険度測定調査とはひとことで言うと、東京都を地震が襲った場合にどのエリアがどれくらい危険なのかを数値化して発表しているものです。
地震に関する地域危険度測定調査は昭和50年から5年毎に調査が行われて、東京都内のどのエリアがどれくらい危険なのかが発表されるのですが、今年の3月に第8回目の調査結果が発表されました。
東京都内のそれぞれのエリアがどれくらい地震によって危険なのかをはっきりと数値化することによって、地域住民は自分の家を購入する際などに参考にすることができます。
東京では首都直下地震が発生する可能性が高いと言われており、遅かれ早かれいつか大きな地震が都民を襲う可能性があります。いざ地震が発生してからでなかれば本当に危険なエリアを正確に特定することはできませんが、既存のデータから調査することで地震による被害が大きくなるエリアを事前にある程度の精度で特定することはできます。
(地震に関する地域危険度測定調査:東京都都市整備局HPより引用)
地震に関する地域危険度測定調査はどのように行われるのか
地震に関する地域危険度測定調査で東京都内の各エリアの危険度を数値化するにあたっては数多くのデータが利用されています。
該当エリアの建物の種類として建物構造、築年数、階数はどうなっているのか、地形・地質として該当エリアの地盤の分類はどうなっているのかが基本情報として調査されます。
次に建物倒壊危険度(建物倒壊の危険性)であれば、耐震診断、地盤増幅率、液状化による建物倒壊量などが調査され、火災危険度(火災の発生による延焼の危険性)であれば、火気器具等使用状況、地盤増幅率、広幅員道路、公園などが調査されます。
このように地震に関する地域危険度測定調査を行うにあたって、建物や地形に関する数多くのデータが吟味され、地震とエリアの関係について数値に落とし込んでいきます。
地震に関する地域危険度測定調査ではどのエリアが危険なのか
地震に関する地域危険度測定調査では東京都内のそれぞれのエリアについて5段階評価で危険度が発表されています。東京都全体の地図に危険度を落とし込んだものが、下記の地図になります。
(地震に関する地域危険度測定調査:東京都都市整備局HPより引用)
具体的な町名として今回行われた地震に関する地域危険度測定調査において危険と言われたエリアのTOP5は下記のエリアになります。
地震に関する地域危険度測定調査
1位 荒川区 町屋4丁目
2位 足立区 千住 柳町
3位 荒川区 荒川6丁目
4位 足立区 千住 大川町
5位 墨田区 墨田3丁目
ただ注意しなければいけないのは、危険エリアに入っているところだけが危険であり、危険エリアに入っていなかったら安全であると思い込んでしまってはいけないということです。
実際の災害では今回の地震に関する地域危険度測定調査で使用されているデータ以外にもさまざまな要因が組み合わさって被害がもたらされるので、あくまで目安として捉えるにとどめておき、危険度エリアに入っていたら自分のエリアは災害時に何が危険になるのかを調べて防災意識を高めておき、危険度エリアに入っていなくても、いざ災害が発生したらどうしようかと考えておくことが重要になります。
以上、東京都の地震に関する地域危険度測定調査結果について見てきました。災害が発生した際にどれくらいの被害がもたらされるのかを事前に推定するのはなかなか難しいですが、今回の結果をもとにより防災意識を高めると良いでしょう。
参考サイト▪︎東京都都市整備局「地震に関する地域危険度測定調査」