防災まち歩きとは?そのやり方と防災まち歩きマップ作成方法
天災は忘れた頃にやってくるという言葉がありますが、地震などの災害は何の前触れもなく突然発生します。災害が発生してからどうしようかと考えていたのでは対応が遅くなったり、適切な判断ができなくなったりすることがありますので、事前に災害に備えた準備をしておく必要があります。災害に備えた準備とひとことに言ってもいくつもの種類がありますが、何人かの住民が参加して防災まち歩きを行い、防災まち歩きマップを作成するというのも一つの方法です。
今回はそんな防災まち歩きについて、そもそも防災まち歩きとは何か、防災まち歩きのやり方、などについて書いていこうと思います。
防災まち歩きとは何か
そもそも防災まち歩きとは何かをひとことで言うと、ある地域の何人かの住民で防災という観点から実際にまちを歩いて周り、地図上に防災の観点で気づいたことなどを落とし込んで発表し合うというものです。
災害では建物が倒壊し、火災が発生し、余震の二次災害が発生したりする可能性がありますが、防災まち歩きを行うことで、住んでいる地域の一時集合場所、広域避難場所、消火栓、倒壊する可能性のある建物などを把握しておくことが役立ちます。
災害が発生する前に防災まち歩きを行なってそれを防災まち歩きマップに落とし込み、避難先への道順を把握しておくことで被害を防ぐことができるかも知れません。
防災まち歩きのやり方
防災まち歩きはただ漠然とまちを歩くのではなく、事前に防災の観点からチェックすべきポイントを参加者が理解した上で、行うことでより効果的に防災まち歩きをすることができます。
防災まち歩きのやり方①:事前準備
まず防災まち歩きを行う上での役割分担を行います。参加者をいくつかのグループに分けて、リーダーを決めて、防災まち歩きを行う道順と、おおよその時間を決めます。
防災まち歩きをするために事前に該当エリアの白地図とデジカメ(スマホ)を準備しておきます。
事前準備の段階で防災の観点から「安全なもの」と「危険なもの」の2つをそれぞれ理解してもらうことが重要です。「安全なもの」と「危険なもの」についてはそれぞれ下記の表を参考にしていただければと思います。
防災まち歩きでチェックすべき安全なもの
・消化器、水道消火栓、送水口
・災害一時集合場所や避難場所の標識
・避難誘導案内板、災害避難場所案内図
・防災倉庫
・公衆電話
・AED
防災まち歩きでチェックすべき危険なもの
・二段積み構造のブロック、古いコンクリート板塀(揺れで倒れる恐れがあるため)
・石碑、記念碑、門柱(揺れで倒れる恐れがあるため)
・垂れ下がっている看板(揺れで落下する恐れがあるため)
・木造密集地域(延焼火災の恐れがあるため)
・路上の自転車(災害時の避難で障害になる恐れがあるため)
これらはあくまで一例なので、これらを参考にしながら実際に防災まち歩きをしている段階では、自分たちで安全なものと危険なものを見極めて行きます。
防災まち歩きのやり方②:防災まち歩き
事前準備が終わったら実際に防災まち歩きを行います。防災まち歩きをする中で、現状がどうなっているのかを把握していき、安全なものと危険なものを写真に撮って記録として残します。
防災まち歩きのやり方③:防災まち歩きマップの作成
防災まち歩きが終わったらその結果を地図に落とし込んでいきます。地図には安全なものと危険なものを区別して写真を貼り、その説明文を書いていきます。
安全なものは緑色の付箋に説明を書き、危険なものはピンク色の付箋に説明を書くなどすることで、よりわかりやすい防災まち歩きマップを作成することができます。
防災まち歩きのやり方④:プレゼンテーション
作成した防災まち歩きマップをもとに他のグループの前で発表を行います。できれば専門家を読んで、専門家の意見を聞くことでより理解を深めることができます。
他のグループや専門家の意見を聞くことで、気づかなかった危険や安全な避難ルートなどについてより理解を深めることができます。