災害医療コーディネーターとは?その役割について

2018.06.01

災害が発生した際には、医療機関は普段対応している患者さんの数とは比べものにならないくらいの医療対象者が発生するので、それに対応する必要があります。ただし、被災地の医療機関そのものも被災しており、普段は使えたはずの設備が使えないことがあり、使えるリソースにも制限が入る中で医療を行う必要があります。更に災害によっては短期間では収束せずに、被害が長期間にわたり、とてもではないですが被災地の医療機関が頑張っただけでは対応することができない場合があります。このような状態に備えて、日本ではDMAT(災害派遣医療チーム)やJMAT (日本医師会災害医療チーム)などというような災害時に派遣される医療部隊などの体制が取られています。
このような災害医療を整えるための仕組みの一つに「災害医療コーディネーター」があります。災害医療コーディネーターは災害医療を行う上で重要な存在になります。今回はそんな災害医療コーディネーターについて、そもそも災害医療コーディネーターとは何か、都道府県災害医療コーディネーターと地域災害医療コーディネーターの違い、などについて書いていこうと思います。

災害医療コーディネーターとは何か

そもそも災害医療コーディネーターとは何かをひとことで言うと、大規模災害が発生した際に、適切な医療体制の構築を助言し、医療機関への傷病者の受け入れ調整などの業務を行う医師のことです。
災害が発生した際には医療機関も混乱しますが、その混乱をできるだけ小さく抑えて、適切な医療ができるようにコーディネートするのが災害医療コーディネーターの役割であると言えます。
阪神淡路大震災での医療体制における教訓をもとに災害医療コーディネーターが兵庫県で導入されたのが始まりでした。その後、東日本大震災での教訓を踏まえて、厚生労働省は都道府県および政令指定都市に対して災害時に医療を円滑に行うことができるような体制を整えるように通知を行い、災害医療コーディネーターは全国に普及していきました。
一般的に、被災地の医療支援は発災後48時間はDMAT(災害派遣医療チーム)が行い、体制が整い次第災害医療コーディネーターがその役割を引き継きます。

都道府県災害医療コーディネーターと地域災害医療コーディネーターの違い

このように災害医療コーディネーターは被災地の医療体制を整えるに当たって重要な役割を果たすのですが、大きく災害医療コーディネーターは都道府県災害医療コーディネーターと地域災害医療コーディネーターの二つに分けることができます。都道府県によっても微妙に異なることがあるのですが、それぞれの役割について見ていこうと思います。

都道府県災害医療コーディネーターとは

まず都道府県災害医療コーディネーターとは、都道府県災害対策本部において都道府県知事の指揮下で被災地の医療体制を整えるための調整を行い、都道府県DMAT調整本部への指示を行います。
例えば東京都の場合には、都道府県災害医療コーディネーターはDMATや医療救護班などに医学的な助言を行い、後述する地域災害医療コーディネーターとの連絡調整を行います。

参照記事
災害拠点病院と一般医療機関におけるBCP策定方法について

地域災害医療コーディネーターとは

次に地域災害医療コーディネーターとは、当該地域を所管する保健所または災害拠点病院内において、保健所長の指揮下で地域における病院・避難所への医療チーム派遣調整、状況やニーズの把握、災害拠点病院内に設置されるDMAT活動拠点本部への指示を行います。
例えば東京都の場合には、災害時に圏域内の医療情報を集約・一元化し、医療資源の配分、収容先医療機関の確保等の医療救護活動等を統括・調整します。
以上、災害医療コーディネーターについて、そもそも災害医療コーディネーターとは何か、都道府県災害医療コーディネーターと地域災害医療コーディネーターの違い、などについて見てきました。
災害医療コーディネーターは災害医療を行う上で重要な組織であり、今後の活躍に期待されています。

参照記事
JMAT(日本医師会災害医療チーム)とは?日本医師会による災害派遣


参考サイト▪︎東京都福祉保健局「災害医療コーディネーター について」