GIS(地理情報システム)とは?災害対応をするために有効なツール

2018.02.26

災害が発生してから、初動対応を行い、災害対応を経て復興するまでの一連の流れで適切な情報を把握することは重要です。災害による被害はどれくらいあって、災害対応はどれくらい進んでいて、今は何が一番の課題になっているのか、について適切に情報把握できるかどうかは極めて重要です。
それらの情報を直感的に把握するためのツールとしてGIS(地理情報システム)があります。今回はそもそもGIS(地理情報システム)とは何か、災害時の状況把握のためのツールとして地図を活用することの重要性は何か、などについて書いていこうと思います。

GIS(地理情報システム)とは何か

そもそもGISとはGeographic Information Systemと言われており、日本語では地理情報システムと翻訳されています。災害の現場ではGISという単語がよく聞かれますが、GISは何も災害のための地図というわけでは無く、地図情報をもとにデータを総合的に管理する技術のことを言います。
災害における情報の把握という観点から見ると被災したエリアを地図で見て判断することが重要であるために、GIS(地理情報システム)が注目されています。
GISでは道路情報、建物情報、人口分布、土地利用状況など複数の地図をレイア構造に分けて重ね合せるという考えが用いられます。そのために複数の情報を一つの地図の上に落とし込んで、情報の統合ができるのです。

参照記事
地球地図プロジェクトとは?世界レベルでの災害周辺地図作成


災害時の状況把握のためのツールとして地図を活用することの重要性

災害対応を行う上で地図の重要性はとても高いです。実際に大規模災害が発生して災害対策本部が作られた場合にも、対策本部の中心に大きな地図が置かれて、そこに付箋やマーカー等でみんなが書き込んでいくという光景をよく目にします。
地図に情報を落とし込むことで空間的に情報を掴むことができると同時に、複数の異なる機関が入り乱れる災害対応の現場において、情報把握を統一することもできます。

GIS(地理情報システム)の活用事例

実際に災害の現場でGIS(地理情報システム)を活用している事例は多くあります。GIS(地理情報システム)を提供している会社はいくつかあるのですが、災害対応に活用するGISという観点から見ると、esriジャパンが有名です。
具体的にどのようにGISを活用しているのかは、esriジャパンのHPでも公開されているので、GISに興味のある方は参考にしてみると良いかもしれません。官公庁や地方自治体、研究機関等でのGIS活用が行われているようです。

参照記事
クライシスマッピングとは?リアルタイム被災支援・地図情報


この他にも国土交通省国土政策局が防災分野でGISを活用するためのガイドラインのようなものを公開しています。この中で、災害予防・防災計画の段階でのGIS活用、災害応急対策の段階でのGIS活用、災害復旧の段階でのGIS活用とフェーズ毎にGISの活用方法が書かれているので、とりあえずGISでどんなことができるのか知りたいという場合には参考になります。
文字で説明されてもよく防災のGIS活用がわかりにくいということもあるかと思いますので、実際にサービスを使ってみるのが良いかと思います。まずこちらのリンクをクリックしてもらうと、首都直下地震と避難所の位置関係というオンラインの地図が出てくるかと思います。
この中では首都直下地震が発生した場合に液状化する可能性のあるエリアについてメッシュ情報で地図に落とし込まれており、避難所が本当に安全なのかどうかを把握することができます。

(首都直下地震と避難所の位置関係:esrieジャパンHPより引用)
この場合には、「避難所」と「液状化する可能性のあるエリア」という2つのデータを地図の中に落とし込んでいると言えます。
以上、そもそもGIS(地理情報システム)とは何か、災害時の状況把握のためのツールとして地図を活用することの重要性は何か、などについて見てきました。災害対応では適正な情報を瞬時に皆が把握するということが重要ですが、そのためのツールとしてGIS(地理情報システム)は有効であると言えます。

参照記事
防災まち歩きとは?そのやり方と防災まち歩きマップ作成方法


参考サイト▪︎国土交通省「防災分野でGISを活用したいが、どのような方法があるか知りたい」