災害情報ボランティアとは?ITを活用した被災地の支援方法

日本は災害大国であり、毎年のように深刻な災害が発生しますが、それに合わせて日本全国から被災地へボランティアが行われます。先に発生した熊本地震でも日本全国から1日でも早く復興するために多くのボランティアが行われました。
そんな災害ボランティアですが、何もお金や肉体労働的なことだけがボランティアとして存在するわけではありません。世の中には「災害情報ボランティア」という情報(IT)の立場からのボランティアもあるのです。今回はそんな災害情報ボランティアとは何か、どんなメリットとデメリットがあるのか、などについて書いていこうと思います。

災害情報ボランティアとは何か

災害情報ボランティアとはひとことで言うと、ITの力を使ってボランティアをしようというものです。もう少し分かりやすく説明すると、被災者の人が本当に欲しい情報を迅速にかつ多様な観点からネット上で伝えようとするものです。
ボランティアという言葉を聞くと、家屋が倒壊している街中に行って、街を新たに整備したり、避難所に必要な物資を届けたりすることが注目されがちですが、実際には正しい“情報”に対するニーズが被災地では高いのです。
災害情報ボランティアはその“被災地の情報”という点に着目して、できるだけ早く有益な情報を伝えようとするものです。
実際に阪神・淡路大震災の際には神戸大学のサイトに開設されたメーリングリストがこの災害情報ボランティアとしての機能を果たしていたと言われています。

参照記事
災害ボランティアセンターの業務概要について

災害情報ボランティアのメリット・デメリット

ここまでの話を聞くと、なぜそもそも災害情報ボランティアが必要なのか疑問に思う人もいるかと思います。情報社会と呼ばれた今の時代ではマスメディアや行政が被災地の情報を伝えているので、それを活用すれば良い気もします。
しかし、実際の被災地では行政は情報を発信するために情報収集をしてその正確さを確認してから報道する決済をとってと、とても時間のかかる作業を行います。災害では時に一刻も早い情報が必要になるので、その点でリアルタイムで情報を収集して発信するというのが大きなメリットになるのです。
また、地味で話題性の無い情報は限られた時間の中で報道しなければいけないマスコミには、報道されない可能性もあります。その観点からも、情報の大小をつけずに伝える媒体が重要になってきます。
一方で、災害情報ボランティアのデメリットとしては、その情報の正確性が不確かという問題もあります。ある情報が本当なのかどうかボランティアでは確認することに限界があり、かつ偏見が入ることがどうしてもあります。これが災害情報ボランティアのデメリットであると言えます。

災害情報ボランティアの有効性

このように災害情報ボランティアにはメリットもあればデメリットもあります。しかし個人的には災害が発生した後の復興期こそ災害情報ボランティアはその意義を発揮するのではないかと思います。
災害が発生した当初はマスコミも被災地を広く報道して、世間からも大きな注目を集めます。また災害発生直後は正しい情報と謝った情報が錯誤することが多いので、情報を正確に発信するということがどうしても難しいです。
しかし、災害が発生してからしばらくたった復興期には、マスコミも報道の回数が格段に減って、世間からの注目も低下します。一方でひと段落して情報の正確性は確かなものが増えてくる時期でもあります。
この復興期のタイミングこそ災害情報ボランティアが最も求められる時であり、被災地の情報を広く世界に発信し、被災地のために情報を集めて被災地の人に発信するメディアの存在が重要になってくるのではないかと思います。

参考サイト▪︎NPO法人ボランティアインフォ