災害拠点病院とは?その活動内容と指定要件について

2018.01.04

災害が発生するとそれに伴って多くの負傷者が出てきます。平常時には怪我をしたら病院に行けば治療をしっかりとしてくれますが、災害時にはそうはいきません。被災者は怪我をしたり体調が悪くなったりしたら自分が普段方使っている病院に行くかもしれません。
しかし、その病院そのものも被災しており、そもそも患者の治療をするために十分な設備が整っているのかも分かりませんし、患者の数も平常時とは比べ物にならないくらい多いです。
そのために災害時には災害時用の医療体制を構築する必要があるのですが、その中でも災害時の重篤緊急患者を中心に扱うのが「災害拠点病院」です。今回はそんな災害拠点病院について、そもそも災害拠点病院とは何か、災害拠点病院の指定要件は何なのか、について書いていこうと思います。

災害拠点病院とは何か

災害拠点病院とはひとことで言うと、災害時に危篤緊急患者に対する医療を行う病院です。災害が発生すると壊れた建物の下敷きになったり、洪水に巻き込まれたりで、重症を負う被災者が発生します。
そんな重症を負った被災者に緊急治療を行うのが災害拠点病院です。この災害拠点病院は各都道府県が指定するのですが、「基幹災害医療センター」と「地域災害医療センター」の2つに大きく分けることができます。
基幹災害医療センターは各都道府県に1カ所以上、地域災害医療センターは二次医療圏ごとに原則1カ所以上整備されています。これらの病院では災害が発生した際に負傷者の受け入れや医療救護班の派遣を行います。

災害拠点病院の数は都道府県ごとに異なっており、大きな都道府県であれば数十の病院が災害拠点病院として指定されており、小さな都道府県であれば6カ所〜10カ所の病院が災害拠点病院の指定を受けています。
これだけの数の災害拠点病院があればかなりの負傷した被災者を受け入れられるような印象を持つ人もいるかもしれませんが、そうでもありません。危篤緊急患者は治療するレベルも高く、何人もの医師や看護師で一人の患者に対応する必要があります。
そのために大きな都道府県でも全部で数十人程度の危篤緊急患者しか受け入れることができません。なので、災害時には災害拠点病院に負傷者を任せればよいというわけにはいきません。
あくまで災害拠点病院は負傷レベルの高い危篤緊急患者を対応してもらうところと認識して、それ以外の負傷者については。一般病院や診断所などに対応してもらい、医療機関全体で対応する必要があります。

参照記事
災害医療コーディネーターとは?その役割について

災害拠点病院の指定要件

災害拠点病院の指定要件については運営、施設、設備などいくつかの項目ごとにそれぞれ複数の指定要件があります。
「運営」という観点から見た場合には、DMATを保有し派遣体制があることや、災害発生時に他のDMATや医療チームの支援を受け入れる体制を整えていること、被災地から傷病者の受け入れ拠点として機能できることなどがあります。
「施設」という観点から見た場合には、災害時における患者の多数発生時に対応可能なスペース等があることや、自家発電装置及びその燃料を保有していることなどがあります。

「設備」という観点から見た場合には、衛星回線インターネットが整備されていること、広域災害・救急医療情報システム(EMIS)に参加していることなどがあります。
この他にも食料・飲料水・医薬品の備蓄品に関する要件や、搬送手段に関する要件などいくつかの要件があり、それらを満たした病院が災害拠点病院になります。
以上、災害拠点病院とは何なのかと災害拠点病院の指定要件について見てきました。災害時に災害拠点病院は危篤緊急患者を受け入れる病院として重要な機能を果たすことが期待されています。

参照記事
被災者の精神的なストレスを軽減させるためにできること

参考サイト▪︎厚生労働省「災害医療」