災害時に管理者(リーダー)が留意すべき事項について

災害に限った話ではありませんが、異常事態になった時に組織を守るためには管理者がどう行動するのかによって結果が大きく左右されます。災害が発生した時に自分がリーダーシップを取って行動しなければならないというケースはそうそうありませんが、地方自治体の首長はいつ災害が発生してリーダーになるのか分かりません。
いざ災害が発生した時にリーダーとして何をしなければならないのかは、ケースバイケースであり何とも言えないことではありますが、一般的に災害時に管理者がしなければならないと言われていることがありますので、今回はそちらをご紹介していこうと思います。

災害時に管理者が留意すべきこと①:指揮

災害時に管理者が行わなければならないこととして、まず何よりも全体を指揮することがあります。管理者は災害対応に当たる全責任を持つ必要がありますが、全体を見て事態解決に向けてコントロールをする必要があります。

災害時に管理者が留意すべきこと②:広報活動

災害時に管理者が気を止めなければならないこととして広報活動があります。災害時にマスコミ対応は面倒だと感じるかもしれませんが、組織の内外に対して適切な情報発信を行うことは重要です。

参照記事
インシデント・コマンド・システム(ICS)とは何か?

災害時に管理者が留意すべきこと③:現場の安全管理

災害で被災者を救助しようとしたために現場の作業員が負傷をしたのでは元も子もありません。災害救護活動の従事者に対して安全に作業ができる環境を作り、二次災害の発生を抑制する必要があります。

災害時に管理者が留意すべきこと④:他機関との連携

大きな災害が発生すると自分の組織内だけで完結することはなく、他の関係機関からの協力を得ながら連携をしていく必要があります。この連携がうまくいかないと応急対応や復興活動に支障が出るので注意を向ける必要があります。
一般的に上記の4つが、災害時に管理者が意識して取り組まなければならないこととしてよくあげられます。ただし、必ずしも全部を自分で行わなければならないという訳ではなく、組織内のNo2など頼れる人に任せるという選択も十分に考えられます。

災害時にトップがなすべきこと

災害を経験した首長たちが意見を出し合って「災害時にトップがなすべきこと」という文章を公表しました。これは内閣府のHPからも閲覧することができるのですが、災害を経験した現場の首長が作ったために、とても参考になる資料になっています。
この中では「平時の備え」「直面する危機への対応」「救護・復旧・復興への対応」という3つの章で成り立っており、それぞれの段階ごとに10個ほど気をつけなければならないことが箇条書きであげられています。
この資料の冒頭の記載でも出ているのですが、4年任期の首長では災害を経験している人はほとんどおらず、初めて行う業務で人の命を左右する決断を何度も行う必要が出てきます。

だからこそ実際に経験している人たちの意見を聞いて、教訓として学べるところについては学んでいく必要があると言えます。
以上、災害時に管理者(リーダー)が留意すべき事項について見てきました。災害という異常事態の中で適切な決断を瞬時に行うには、事前にどれだけ準備できているのかが大切であると言えます。

参照記事
災害対策本部とは?その役割と設置基準について

参考サイト▪︎内閣府「災害時にトップがなすべきこと」