クライシスマッピングとは?リアルタイム被災支援・地図情報
大きな災害が発生した際には被害が大きなエリアほど被害状況が入ってこないという特徴があります。そのために、本当は詳しく知りたい被災地の状況がうまく把握することができないことがあります。
被災地の状況をすぐに把握するのは大変であり、その被害状況を住民に伝えるまでなるとどうしても時間がかかってしまいます。このような問題を解決するために「クライシスマッピング」というものがあります。
クライシスマッピングとは、リアルタイム被災支援・地図情報とも呼ばれており、被災地のSNS投稿やGPS情報などから被害状況を地図上に落とし込んで、どのエリアで被害が大きいのかを視覚的に分かりやすくしたものです。
今回はそんなクライシスマッピングについて、そもそもクライシスマッピングとは何か、過去のクライシスマッピングの事例、クライシスマッピングの作成手順、などについて書いていこうと思います。
クライシスマッピングとは何か
そもそもクライシスマッピングとは何かをひとことで言うと、災害時にTwitterやFacebookなどのSNS情報や、被災地のカーナビ情報を活用して、インターネット上に地図を作って被害状況をシェアするというものです。
地図データ作成プロジェクト「OpenStreetMap(OSM)」のユーザーを中心にITエンジニアなどがボランティアの一環で作成することが多く、被害状況が分かりにくい被災地の被害状況をわかりやすく視覚的に把握することができます。
クライシスマッピングは、個々人がスマホを持って情報を発信している時代だからこそできる技術とも言えます。一方でSNSの情報は不確実性も高く、正確に被害状況を把握できるのか疑問視している意見もあるようです。
TwitterなどのSNS情報以外にも、例えば災害による被害を受けた車の情報をカーナビから明らかにしたり、タクシーの走行距離から都市部における渋滞状況を把握したりと、ICTを防災に活かす取り組みも行われています。
最近では防災に限らずICTの活用があらゆる産業で注目されています。防災においてもICTを活用して少しでも被害を抑えようという動きは強まっており、今後の動向が注目されています。
過去のクライシスマッピングの事例
もともとクライシスマッピングは、2010年に発生したハイチ地震をきっかけに作成されました。ハイチ地震は30万人を超える死者がでた大災害ですが、海外のエンジニアがTwitterの情報をもとに被災地の被害状況を地図に表現したのが最初であると言われています。
その後、東日本大震災やフィリピンで発生した台風30号などでも同様の試みがなされています。クライシスマッピングはまだ確立されたシステムではないにしても、被災地を援助するための一つの手段になっています。
クライシスマッピングの作成手順
災害が発生して自分もクライシスマッピングを作成するボランティアに参加したいという人向けのSlideShareの資料がありましたので共有いたします。
クライシスマッピングの作成はITエンジニアが中心になっているようですが、一般人でも参加することができるので、もし協力したいうというのであれば、世紀の流れに沿って参加してみるとよいでしょう。
以上、クライシスマッピングについて、そもそもクライシスマッピングとは何か、過去のクライシスマッピングの事例、クライシスマッピングの作成手順、などについて見てきました。
クライシスマッピングはITを活用した新しい災害ボランティアの形でもあり、今後のさらなる発展に期待です。
参考サイト▪︎CrisisMappers