防災行政無線とは?災害時に情報を共有するためのシステム
災害が発生した又は災害が発生しそうな時には、その災害情報を住民や関連機関同士で共有することが重要になってきます。災害情報を共有するためのシステムは様々なものがありますが、その中の一つに「防災行政無線」があります。
防災行政無線の中にもいくつかの種類があるのですが、一般市民の人からも馴染みのあるものが市町村防災行政無線です。時報を知らせるチャイムにも使われているので馴染みがありますが、災害時に情報を知らせるためにも使われます。
今回はそんな防災行政無線について、そもそも防災行政無線とは何か、防災行政無線の種類、防災行政無線のデジタル化とは何か、などについて書いていこうと思います。
防災行政無線とは何か
防災行政無線とは何かをひとことで言うと、行政が災害発生時にその災害情報を地域住民や関連機関に共有するためのシステムです。災害時には避難情報、災害対応情報、復旧・復興情報を伝えることを目的に使われます。
一方で災害時以外にも防災行政無線は利用されており、特に市町村防災行政無線では、北朝鮮からミサイルが飛んできた時に鳴ったJアラートや、時報を知らせるためのチャイムにも使用されています。
防災行政無線の種類
防災行政無線として一般的に知られているのは市町村防災行政無線ですが、市町村防災行政無線以外にも、都道府県防災行政無線、中央防災無線、消防防災無線などがあります。
市町村防災行政無線とは何か
市町村防災行政無線とは市町村が災害情報を住民に知らせるために使う防災無線のことを言います。災害時にできるだけ多くの住民にその情報を知らせるという面では有効なツールであると言えます。
ただし一方で、市町村防災行政無線は野外スピーカーで行っているので、場所によっては市町村防災行政無線が何を言っているのかはっきりと分からなかったり、逆に市町村防災行政無線のすぐ近くに家がある人は音量がうるさすぎたりする問題があります。また市町村合併が進んでいた際には、市町村防災行政無線のシステムの統合に問題が生じたりもしました。
都道府県防災行政無線とは何か
都道府県防災行政無線とは都道府県が市町村や防災関係機関に災害時の情報を供給するためのシステムです。災害時には県庁から県内の市町村に一斉に緊急通報を伝達したりします。一方で災害が発生していない平常時には一般行政事務用に使用されたりしています。
中央防災無線と消防防災無線について
市町村防災行政無線と都道府県防災行政無線以外にも、中央防災無線や消防防災無線といったものがあります。中央防災無線は内閣府と指定行政機関や指定公共機関等を結ぶ無線であり、消防防災無線は消防庁と全都道府県を結んでいます。
市町村防災行政無線のデジタル化について
市町村防災行政無線はより性能を向上させるためにもデジタル化が進められています。市町村防災行政無線をデジタル化することによって、電波の利用効率が向上したり、複数チャンネル化や複信通話での運用が可能になったりします。
ただし一方では、市町村防災行政無線のデジタル化を導入するための費用負担が大きいなどの問題も抱えており、その問題点についても指摘されています。
以上、今回は「防災行政無線」について、そもそも防災行政無線とは何か、防災行政無線の種類、防災行政無線のデジタル化とは何か、などについて見てきました。
防災行政無線は災害時の情報共有という重要なシステムであり、今後もその有効活用が期待されています。
参考サイト▪︎総務省「防災行政無線」